解説
すでに多くの州で民主党大統領候補の立候補の期限が過ぎているのです。
また知名度が高い有力候補であるサンダース氏は高齢、カマラ・ハリス副大統領は不人気であることが解説されています。
結局、現職のバイデン大統領が候補になるしかないという見方です。
なるほどとは思います。しかしここで疑問が生じます。
バイデン大統領が高齢で不人気なのは昨年から自明でした。
なぜ、昨年の前半段階で新しい有力候補を探して育てる努力を民主党はしなかったのでしょうか。
不可解です。
これに限らず、私から見ると、今の米国政治でもっとも不思議なのは民主党のあり方です。
トランプを支持する共和党よりも理解できません。
2016年と2020年の大統領選、クリントンもバイデンも「不法移民がダメなのは当然です」とさえ言えば、楽にトランプに勝てました。
なぜそうしなかったのか?
憎きトランプの主張だからで同意したくてもできなかったのでしょうか?
違います。
現に、ビル・クリントンは1992年の大統領選挙で、対立候補であるジョージ・ブッシュ大統領の主張に一部同意し、その課題を無効化する戦略を採用しました。
それに倣ってトランプの主張の一部に同意すればよいだけです。
不法移民問題で同意されれば困るのはトランプなのです。人が共感してくれる主張の基盤がなくなるからです。
なぜ、民主党がトランプの当たり前すぎる主張にサラッと同意して、それを大統領選の議論課題の対象から外すことをしないのか、まったく理解できません。
おそらく過度に人道的な極左グループが党内にいて彼らを切れない事情があるのでしょう。
現在、米国の民主党は機能不全に陥っているように見えます。
(この記事はメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』1月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)
社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために
メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 では、在米14年の経験と起業家としての視線、そして大学教授という立場から、世界で起きているさまざまなニュースを多角的な視点で分析。そして各種マスコミによる「印象操作」に惑わされないためのポイントを解説しています。1月中であれば、1月配信分のメルマガ全てが「初月無料」でお読みいただけます。この機会にぜひご登録ください。
月額:¥330(税込)/月
発行日:毎週 日曜日(年末年始を除く)
形式:PC・携帯向け/テキスト・HTML形式
この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ
image by: OogImages / Shutterstock.com