米民主党の機能不全。なぜ大統領候補にバイデンしか擁立できないのか?

 

解説

すでに多くの州で民主党大統領候補の立候補の期限が過ぎているのです。

また知名度が高い有力候補であるサンダース氏は高齢、カマラ・ハリス副大統領は不人気であることが解説されています。

結局、現職のバイデン大統領が候補になるしかないという見方です。

なるほどとは思います。しかしここで疑問が生じます。

バイデン大統領が高齢で不人気なのは昨年から自明でした。

なぜ、昨年の前半段階で新しい有力候補を探して育てる努力を民主党はしなかったのでしょうか。

不可解です。

これに限らず、私から見ると、今の米国政治でもっとも不思議なのは民主党のあり方です。

トランプを支持する共和党よりも理解できません。

2016年と2020年の大統領選、クリントンもバイデンも「不法移民がダメなのは当然です」とさえ言えば、楽にトランプに勝てました。

なぜそうしなかったのか?

憎きトランプの主張だからで同意したくてもできなかったのでしょうか?

違います。

現に、ビル・クリントンは1992年の大統領選挙で、対立候補であるジョージ・ブッシュ大統領の主張に一部同意し、その課題を無効化する戦略を採用しました。

それに倣ってトランプの主張の一部に同意すればよいだけです。

不法移民問題で同意されれば困るのはトランプなのです。人が共感してくれる主張の基盤がなくなるからです。

なぜ、民主党がトランプの当たり前すぎる主張にサラッと同意して、それを大統領選の議論課題の対象から外すことをしないのか、まったく理解できません。

おそらく過度に人道的な極左グループが党内にいて彼らを切れない事情があるのでしょう。

現在、米国の民主党は機能不全に陥っているように見えます。

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・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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