不人気な立地をあえて選び、人気店を展開する企業があります。その企業の代表はどういった目線で不人気立地を選んでいるのか、今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』でご紹介しています。
不人気な立地を逆手にとって人気店を展開した飲食店企業バルニバービの先見性
いまから約30年前、人通りのほとんどなかった倉庫街にレストランを開業して以来、不人気な立地を逆手に取って次々と人気店を展開し続けてきたバルニバービ。
同社を率いる佐藤裕久氏が、近年心血を注いでいるのが「食から始める地方創再生」です。
このプロジェクトに懸ける佐藤氏の思い、そして氏の追求する立志立国とは。
『致知』最新号より、インタビュー記事の一部をご紹介します。
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──進出を決断する際の決め手になるものは何でしょうか。
最初に淡路島の西海岸を見に行った時、「こんなところ、無理でしょ!」と皆から言われました。本当に何もないところでしたから(笑)。
でも僕はそんな時、しばらく一人になってボーッと思いを巡らすんです。その土地の磁力というか、流れる空気というか、そんなものを感じながら、「もしここにカフェがあったら、俺はわざわざ車に乗って出かけてくるだろうか」と。
そうして自分が心地よかったり、ここで過ごしたいと感じられるかどうかが判断の基準になるわけで、僕はそこだけは絶対に譲らない。
ですから、現地に行かずに決めることは絶対にありません。
それは、大阪の南船場の寂れていると言われていた倉庫街に一号店を出した時以来、僕が取っている方法で、社内では、その判断ができなくなれば僕が代表をやっている意味はないので降りる、と言っています。
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