「アイヌはロシアの先住民族だ」。プーチンの発言が危険すぎる訳

 

本当に心配しなければいけないこととは?

前大統領のメドが日本を侮辱した。ムカつきますが、冷静に考えれば、気にする必要はありません。彼から「切腹しろ!」と言われても、何の実害もないからです。
しかし、「気にした方がいいこと」もあります。それは、「ロシアが北海道を狙っている」ことです。ミロノフ元上院議長は、【北海道はロシア領】と宣言して
います。『時事』2022年4月9日付。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて日本が対ロ制裁を科す中、ロシアの政党党首が「一部の専門家によると、ロシアは北海道にすべての権利を有している」と日本への脅しとも受け止められる見解を表明した。

見解を表明したのは、左派政党「公正ロシア」のミロノフ党首で、1日に同党のサイトで発表された。公正ロシアは政権に従順な「体制内野党」。ミロノフ氏は2001~11年に上院議長を務めた。
(同上)

これ、ほとんどの日本人は、「ただのジョークでしょ?!」と考え、気にしないでしょう。どういう根拠で、ロシアは北海道の領有権を主張するのでしょうか?『ZAKZAK by 夕刊フジ』2023年11月20日。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2018年12月、モスクワで開かれた人権評議会で、アイヌを「ロシアの先住民族」に認定する考えを示した。

プーチンは、「アイヌはロシアの先住民族だ」と認定しました。それが、北海道侵略とどうつながってくるのでしょうか?「日本政府がロシアの先住民族アイヌを迫害している。助けなければ!」と宣言し、侵攻してくる。

「ウクライナは、ルガンスク、ドネツクのロシア系住民を迫害している。助けなければ!」

これは、プーチンの「ウクライナ侵略」の口実の一つです。同じように、「日本は、ロシアの先住民族アイヌを迫害している。助けなければ!」と宣言し、侵攻してくる可能性があります。現状、冗談のような話ですが。

しかし、イメージしてみてください。台湾有事が起こったとしましょう。日本は、アメリカと共に台湾を支援しています。日本国中大騒ぎになっているでしょう。その時、ロシア軍が突然北海道に侵略してきたら???日本は、南で中国、北でロシア、二正面で戦うことになります。その準備はできているでしょうか?もちろんできていないでしょう。

日本が今なすべき二つのこと

日本政府が今すべきことは、二つです。

一つは、ロシアの侵攻に備え、北海道の守りを固めることです。二つ目は、ウクライナへの支援を減らすのではなく増やすことです。なぜ?

ウクライナがロシアと戦っている間、ロシアは北海道を侵略できないでしょう。そんな余裕はないからです。しかし、ウクライナが負けて、ロシアに余裕ができれば、プーチンが「そろそろ北海道をもらおうか」となるかもしれません。

だから、ウクライナは、「日本のためにロシアと戦ってくれている」のです。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル2024年1月31日号より一部抜粋)

image by: Northfoto / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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