悪いのは「誰かを叩きたい人」ネット民に責任押しつけ
『セクシー田中さん』を巡るトラブルでは、脚本家を含むドラマ制作サイドへ批判の矛先が向いたのは前述の通り。これについてもKはこのようにコメントしている。
「あんまりどっちが言わない方がいいと思います、状況もわからないのに。私人逮捕系youtuberがめちゃくちゃ捕まってますけど、私人逮捕と同じですよ、どっちが悪いとか言うのって」
「原作者(芦原さん)は誰も責めてほしくなかったのに、誰かを叩きたい人たちがいて、世間が対立構造を作ってしまったことが悲しくて仕方がありません」
ネットで「納得の行かないこと」に対して声を上げたネットユーザーを「私人逮捕系youtuber」扱いするという傲慢。SNS上にはあくまで「正常」な書き込みが数多くポストされた。
《被害者ヅラで逃げるなんて最低》
《芦原さんを追い詰めたのはネット民って言いたいわけか》
《そもそもの発端は脚本家がインスタにポストしたことだろ》
こんな脚本家たちの声を、漫画業界側はどう受け止めたのだろうか。女性漫画誌の元編集者が口を開く。
「20年以上前の話なんですが、編集していた雑誌の人気作品がテレビドラマ化されたことがあったんです。原作者の方は『好きなようにしてください派』だったんですが、それでも漫画に登場しない人物が加えられていたり、重要キャラの決め台詞が面白くもなんともないギャグになっていたりで、原作ファンからは不評でしたね。もちろん脚本家さんなりのご苦労はあるとは思うのですが、今回のシナリオ作家協会の動画を見て、こんなふうに思っている方には作品は預けられないなと思ってしまいました」
うんざりな加害者側の「誹謗中傷盾」「脅迫盾」
大炎上することなど誰の目から見ても明らかな動画を公開した日本シナリオ作家協会だったが、「2024年1月29日配信の『深夜密談・特別編』につきまして、いただいたご意見は真摯に拝読させていただきました。出演者・関係者への誹謗中傷や脅迫等がございましたので動画は削除しました」として、該当動画を消去。
しかし、本当に誹謗中傷、ましてや「脅迫」などはあったのか。2日16時現在、同協会はこの件に関する見解を何ひとつ出していない。これでは誹謗中傷・脅迫が「創作」と受け取られても仕方のないことだろう。
ただ、紹介したような内容の動画を不特定多数に向けて発信すれば、視聴者の中には異常な攻撃性を持つ人間がいないとも言い切れず、「脅迫等があった」というコメントを全否定することもできない。それにしても、である。いいかげん加害者側が「誹謗中傷盾」「脅迫盾」を用いて自己保身に走り、SNS規制を叫ぶかのような傲慢さにネットユーザーはうんざりしているのが事実だ。
そんなSNS上で目を引いたのは、これらの「ごもっとも」なポストだ。
《脚本家を主人公にして、こんな状況からどう逃げるかっていうシナリオを書いてみればいい。そういうドラマなら見る》
《「大炎上!」ってタイトルで、今回の炎上騒ぎを収拾するオリジナル脚本書いたらいいんじゃね?》
《脚本家なら、この炎上を押さえるどころか逆手に取るみたいなストーリーでドラマ一本書けるでしょ。原作いらないだろうし》
動画の削除により、「逃走」を図った日本シナリオ作家協会。しかしその卑怯極まりない姿勢は逆に、文字起こし職人や経緯まとめ職人たちの逆鱗に触れてしまったようだ。事実、凄まじい勢いで今回の騒動は多くの人が知るところとなっている。削除された動画を複製して再拡散するといった行為はもちろん違法であり決して褒められたものではない。だがそれもすべては同協会の「自己責任」と言って差し支えないだろう。