糖尿病患者が「減量のために使う治療薬」が、実は「アルコール障害に効く」という研究結果

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糖尿病患者が減量治療に使用する薬「セマグルチド」は、日本でも2023年3月に肥満症治療薬として承認され話題となりました。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、この「セマグルチド」がアルコール障害症状を有する患者に対して改善効果があるとする最新研究を紹介。対象者は6人と少数ながらも、全員が有意な症状改善を示していることから、より大規模な調査研究への期待を表明しています。

糖尿病治療薬(セマグルチド)のアルコール障害に対する効果

糖尿病治療薬であり、体重減少をもたらすことで話題にのぼることの多い薬剤として“セマグルチド”があります。今回は、セマグルチドがアルコール障害に有効であった例についても報告をご紹介します。

(減量治療を行っている間での)セマグルチドのアルコール障害に対する効果
Significant Decrease in Alcohol Use Disorder Symptoms Secondary to Semaglutide Therapy for Weight Loss: A Case Series

セマグルチドによる減量治療の対象者6人について、アルコール障害が判明しました。アルコール障害の尺度 Alcohol Use Disorder Identification Test(8点以上陽性)で陽性だった6人について、全例でアルコール障害の改善を認めました(平均の減少スコア9.5点)。

要約:『糖尿病治療薬であるセマグルチドはアルコール障害に対して改善をもたらすかもしれない』

まだ、さらに大きな規模と信頼性の高い研究デザインでの検証が必要ですが、比較的新しい糖尿病治療薬のアルコール障害に対する有効性が考えられる内容でした。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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