世界終了へ。米国「イラン本土攻撃」なら“ガザ長期化”どころでは済まなくなる

 

プーチンがアメリカ政府に対して打診してきた内容

そしてその状況をさらに悪化させそうなのが【ウクライナがロシアに敗北する危機】の存在です。

その背景には、あまり報じられないロシアとウクライナの圧倒的な弾薬ストックの違いが存在します。

ウクライナがNATO諸国からの軍事支援を受けて対ロ反転攻勢を始めたころは、日に平均8,000発ほどの弾薬を使っていましたが、昨年12月ごろにはそれが多い日でも2,000発程度に減っており、最近では1,000発にも届かない日もあるとのことで、ウクライナ軍の弾薬の枯渇状況が懸念されます。

一応、今年1月にはNATOがウクライナ政府との間で【ウクライナに対して数十万個単位の155ミリ砲弾を生産・配備するための11億ユーロ(約1,760億円)相当の契約】を締結しましたが、その砲弾が実戦配備されるのは早くとも2027年春とされており(ストルテンベルグ事務局長)、そうなると「ウクライナは果たしてそれまで持ちこたえられるのか」という大きな懸念が生じます。

2月1日には、ハンガリーのオルバン首相もOKする形で、EUによる対ウクライナ追加支援(500億ユーロ、2027年まで)が合意されましたが、これも報道ではもてはやされたものの、どこまでウクライナの糧になるかは不明です。

この500億ユーロ(約8兆円)の内訳は330億ユーロが融資扱いであるため、いずれ返済が必要となり、ウクライナ政府が難色を示していると言われていますし、残りの170億ユーロはロシアの在外凍結資産を原資とし、かつEU加盟のための準備資金に使途を限るという条件が付いているため、「ロシアとの戦闘に回すことはできない」というように解釈できます。

そして330億ユーロは、EUの担当官によると「これで武器弾薬を購入してね」という性格のため、ウクライナが購入先を探し、契約する必要があるようですが、現在、それに応じてくれるのはアメリカの軍需産業とトルコの国営軍需産業くらいで、EUにはその余力はないようです。

この支援、見た目ほどありがたいものではないというのが認識です。

このような状況に陥る元凶は、アメリカ・バイデン大統領がゼレンスキー大統領に口約束した610億ドル(約9兆円)の追加支援が、議会における政争の具にされ、まったく成立する見込みがないことと、アメリカがウクライナに供与できる武器弾薬も枯渇している現状でしょう。

アメリカ政府の軍事支援担当幹部によると「米議会が追加支援を即時に承認しなければ、あと数週間ほどでウクライナ軍の交戦能力は底をつく」とのことです。

個人的には予算獲得のための誇張に感じるのですが、ウクライナの弾薬のストックがかなり危険な水準にまで落ち込んでいることは明らかです。

そのような状況を読み取っているのか、非公式なコンタクトではあったようですが、ロシアのプーチン大統領からアメリカ政府に対して「ウクライナ戦争の終わりに向けた話し合いをする用意があるか」と打診してきたという情報が入ってきました――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2024年2月9 日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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