大学4年で出店。サイゼリヤ創業者の最初に出したお店が火事になった理由

 

かく言う私も店を始めたばかりの頃は欲の塊ですから、楽をしてお金をたくさん儲けたいと思っていました。

しかし、来る日も来る日もとにかくお客さんが全然入らない。

1日の来店客が6人だけということもありました。

当時の店は2階にあって、1階には八百屋さんとアサリ屋さんが入っていました。

狭くて見えにくい階段を上がっていかなきゃいけないのに、階段の入り口に荷物が置いてあるから飛び越えたりどかしたりしないと通れない。

深夜に店を開ければ集客できるだろうと営業時間を朝4時まで延ばしたところ、ならず者のたまり場になっただけ。

揚げ句の果てには客同士の喧嘩で石油ストーブが倒れ、店は燃えてしまったんです。

開店から1年9か月後のことでした。

立地は悪いし、ならず者しか来ないし、火事にはなるし……こんな店でいくらおいしいものを出してもお客さんは絶対に来ないと思っていました。店を辞めることも考えましたし、再開するにしても別の場所でやろうと。

ところが、ある時おふくろにこう言われたんです。

「火事に遭ったあの店はおまえにとって 最高の場所だから、辞めちゃダメ。八百屋もアサリ屋も、せっかくおまえのためにそこにあるんだから、逃げちゃダメ。もう一度同じところで頑張りなさい」

って。

お客さんが来ないことを立地のせいにしないで、お客さんが来てくれるようにひたむきに努力することが大切なんだと、おふくろは教えてくれました。

だから、立地が悪いのもならず者しか来ないのも火事になったのも、すべてエネルギーの仕業で、より幸せになるようにやってくれていたことに気づかされたんですね。

image by: aijiro / Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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