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ジャニ担記者の「優雅な日常」が崩壊!芸能記者が明かすSTARTO社「アゴアシ廃止」の裏事情…“ストスノ未満”のニュース消滅も?

この春、旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)の所属タレントらが移行する新事務所「STARTO ENTERTAINMENT」。このSTARTO社が、マスコミ各社に対し「今後は取材時の交通費や飲食代を負担しない」旨を通達していたと報じられています。この“アゴアシ廃止”報道は芸能記者らの間でも大きな話題となっており、これまで羽振りのいい日常を送ってきたジャニ担記者(旧ジャニ幹部のお気に入り記者)からは悲鳴も。一方、そんな彼らを苦々しくみていた後輩記者の中には高笑いをする者もいて…!? 芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが「今後、旧ジャニ関連のニュースが激減する」との噂も含めて詳しく解説します。

「もう飲食代も交通費も出ませんよ?」記者たちに衝撃走る

『双葉社』のネットニュースサイト『ピンズバ』が、『STARTO ENTERTAINMENT』(旧ジャニーズ事務所)が芸能マスコミ全般に対して「今後取材者にアゴアシを払いません」と通達を出していたと報道しました。

このマニアックな話題に苦笑いする者あり、高笑いする者ありと私の周囲ではザワザワです。

まず“アゴアシ”の説明から始めましょうか。

“アゴアシ”とは(諸説ありますが)“顎(飲食費)から足(移動交通費)まで”という意味で、昭和初期から使われていた芸能界における業界用語です。

“アゴアシマクラ”と言えば飲食、交通、“枕(宿泊費)”でしたが、“マクラ”は省略されることも多くなったので、移動先が自社から遠く離れた所なら“アゴアシ”には宿泊費も含まれる解釈になります。

STARTOの「アゴアシ廃止」に泣く者、笑う者

今回の『STARTO』の通達で各マスコミにいらっしゃる“ジャニ担”記者は苦笑い…いままでの偉そうな取材状況を知っている後輩の記者たちは陰で高笑い…といった構図が見えます。

もちろん全部の取材においてこの通りだったとは言いませんが、旧ジャニが所属するタレントのデビューイベントや地方でのライブ等において“全部持つから取材して記事にしてよ”というのは古き芸能界では当たり前に行われていたことでした。

そしてその取材に同行するのが、いわゆる“ジャニ担”…旧ジャニ幹部に気に入られていた記者たちだったというわけです。

所属事務所が“アゴアシ”を出さないとなれば、おそらく誰ひとり、わざわざ遠くへは行かなくなり、当然その所属タレントのニュースは報道されなくなるでしょう。

こんなご時世です、特に紙媒体は発行部数も落ちている今、編集部からもGOは出にくくなるでしょうね。

現場の記者たちに話を聞けば「自腹や経費で取材するとなれば『ストスノ』(SnowMan&SixTONES)まででしょうね」と教えてくれました。どうやらかなりのアイドルの情報が伝わらなくなりそうです。

羨ましくも腹立たしい?「ジャニ担記者」たちの優雅な日常

私が週刊誌の記者だった頃、“ジャニ担”記者であることの恩恵は相当なものでした。

取材の移動はビジネスクラスでしたし、宿泊も5つ星に近い高級ホテルばかり…知らない内に自分が特別の存在のように勘違いしてしまうのでしょう、編集部でこの人たちが大きな顔をしてふんぞり返るのを散々見てきました。

取材に着ていく服から身に着けるものまで超一流ブランドのものばかりで、若い入りたての記者をつかまえては“これもあれも、✕✕の〇〇さんに買ってもらえるような芸能記者にならなきゃダメ”なんて自慢話をよくしていました。

私は追跡取材や張り込みを得意とする部類の記者でしたから、時々編集部内でジャニ担に会った際の、目立たないようにしている地味な様相の自分に向けられる蔑んだような視線を今でも思い出します。

「今、何の取材をしているんだ」が挨拶代わりの言葉で、私が旧ジャニのタレントを取材中だと漏らしたりすれば、彼等は烈火のように激怒し「今すぐ止めた方がいい。担当編集は誰だ?今から止めるように言ってくる」というのがいつものパターンでした。

彼等の恩恵の代償はスキャンダラスな、タレントや事務所にとってマイナスとなるような記事を止めさせること、取材自体をさせないことでしたから。

もはや絶滅危惧種!?「アゴアシ女性記者」のヤバい行動

ジャニ担以外でも“アゴアシ”といえば、編集部には業界では知らない人がいない程の有名な女性記者がいました。

グラビア担当のこの記者は、実に熱心に各テレビ局や映画会社、写真集等の製作発表記者会見に出席することで有名でした。

もうそれだけでスケジュールはいっぱいになる程に…。

グラビアで写真を掲載する取材なのですが、実は彼女の狙いは別にあって、その会場で配られる番組宣伝用の“お土産”を手に入れることを至福の喜びとしていたのです(と見えた…と言った方がいいかもしれませんが)。

メモ帳とかクリアファイル、ボールペン、キーホルダー等々…その取材の宣伝になるようなマスコミに配るグッズの熱心なコレクターとして、知る人ぞ知る存在でした。

彼女に同行するカメラマンは大変だったと何度も話を聞いたことがあります。

質問に答えた言葉や、タレントの会見での表情を聞かれるからです。

彼女はその間“今日は何があるのかしら…”とグッズ集めに集中しているから、本来の記者としての仕事が疎かになってしまうわけです。

彼女が病気で会見の取材を休んだ時は、あの和田アキ子が「今日は〇〇さん、来てないの?」と芸能リポーターたちに聞いて回っていたほどです。

いつもいつも会見で見かけ、帰りには紙袋いっぱいにグッズを持って帰る彼女はタレントにも知れ渡っていたというエピソードです。

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『STARTO』社の通達は今後どのような影響が出てくるのか、いかにジャニ担が各所に散りばめられ恩恵を受けていたのか…その答えは徐々にわかってくるような気がしています。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by: stockphoto mania / Shutterstock.com

芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

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