『SMAP×SMAP』『さんタク』『笑っていいとも!』など人気番組を手がけたフジテレビの名物プロデューサー、黒木彰一さんが54歳の若さで亡くなりました。17日の通夜には中居正広さん(51)のほか『新しい地図』の稲垣吾郎さん(50)、草なぎ剛さん(49)、香取慎吾さん(47)ら元スマップのメンバーが参列するも、木村拓哉さん(51)だけは姿を見せず。しかも通夜直前に“配慮に欠けるインスタ投稿”をしていたとして、ちょっとした物議を醸しています。木村さんを含む5人は黒木さんが亡くなる直前、病室で個別に面会していたとも報じられていますが、最後のお別れを「供花」だけで済ませたキムタクの真意はどこにあるのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが過去の体験も踏まえて解説します。
『スマスマ』黒木Pの通夜前に「だく汗かいてきましたぁ~!」の真意は?
『週刊文春』がフジテレビの名物プロデューサーだった故・黒木彰一氏の通夜の様子を伝えています。
読んでみて私が感じたのは、少し寂しい“SMAP再結成”の現状でした。
この記事で最も象徴的だったのは、通夜直前に木村拓哉が自らのインスタグラムに投稿したメッセージを紹介している部分でした。
「そして、明日に向けてだく汗かいてきましたぁ~! 早めの夕食して、台本へ。」
『SMAP×SMAP』や『さんタク』でお世話になった恩は一人静かに胸の中へ…というところなのでしょうか。
中居や『新しい地図』3人への虚勢か、キムタク流の心づかいか
ただ“性加害”についての謝罪会見直後の「show must go on!」(=何が起ころうともショーは続かなければならない)の投稿もありましたから、通夜が始まる直前の時間に、もう少し慎重に言葉を選んでから投稿してもいいような気もしないでもありません。
『週刊文春』は「旧ジャニーズに残る木村にとって独立組が主導する通夜は“アウェイ”になるとみたのかもしれない」と解説しています。
仮に通夜に出席したとしたら、その日の夜や次の日に“SMAP再び”の文字があらゆるメディアで踊るのはわかっていたでしょうから、“行きたくても大騒ぎになるから失礼しよう…”と判断したのかもしれませんけれど。
「お通夜取材」に欠かせない配慮と後悔
私の中で通夜の取材として印象に残っているのは、今から15年前、2009年1月に亡くなった『ザ・テンプターズ』大口広司氏です。
若い方たちは御存知ないかもしれませんが、『ザ・テンプターズ』といえば全盛期は若い女性たちの悲鳴にも似た歓声が集まる、グループサウンズとして大人気のバンドでした。
ボーカルは2019年に亡くなってしまった萩原健一氏で、当時は『ザ・タイガース』のボーカル・沢田研二と人気を二分していたものです。
通夜は中野区内にある新井薬師梅照院。目を閉じると、砂利道を歩く沢田研二や八千草薫さんの足音が蘇ってきます。
焼香を済ませた沢田が、岸部一徳に近寄って「いつものおでん屋で…」と囁いた声は、15年経った今でも脳裏から消えることはありません。
通夜が終了した後、中野駅界隈に消えた沢田を探すのに、夜の大捜査線が繰り広げられたのは言うまでもないでしょう。「おでん屋…おでん屋…」と呟きながら、寒い中野の街を駆けずり回ったのでした。
私の印象に残っている理由は、これは私がふつつか者であるという証明にもなってしまいますが、悲しみにくれる大口氏の御遺族に数年前に離婚した女優との現在の関係を聞き取り取材しようとしたからでした。
私の場の空気を無視した質問に、御遺族たちは「この場で聞くことですか?」と猛反発…ふと気が付くと、側にいるはずのカメラマンさえ姿が見えなくなっていたのです。後で聞いたら御遺族の怒り心頭な視線に耐え切れず、敵前逃亡したとわかりました。
大口氏の御遺族が、もしこのブログをどこかで読むようなことがあった時のために、この場をお借りしてあの時の無礼を謝りたいと思います。仕事とはいえ、失礼な振る舞いをお詫び申し上げます。
木村拓哉は恩人とその遺族のために「あえて欠席」したのでは?
今回のキムタク、私は「俺が『新しい地図』や中居正広と遭遇でもしたら、黒木さんの通夜がメチャクチャになってしまう…」と心配し、供花だけで失礼しようと考えたと解釈していますが、皆さんはどう思われますか?
プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」