また町田市か…隠された「中3いじめ自死」事件。LINEで送られた「死ね」の文字、死去の前日まで続く難癖、校長が隠ぺい“陣頭指揮”か?

 

担任がいじめを助長。自死した生徒に送りつけられていたLINE

2023年6月4日、町田市立の中学校に在籍する中学3年生の男子生徒が、いじめを苦に自殺していたのだ。この件は、この記事が会員向けに発行される4月9日の段階では、初出のことになる。

なにせ、私がご遺族から事情を聴き、報道機関に連絡を取ったところ、この事態を知っている報道機関は1つしかなかったし、まだ報じていないからだ。

亡くなった男子生徒は、クラスのムードメーカーで多くの同級生に愛されていた生徒であったが、一方で、一部の生徒からいじめの対象にされ、さらには教員もこれを止めようともしていなかったという。

実は私の手元には、有志の同級生らが作った資料がある。また、ご遺族が聞き取った生徒からの証言がまとまっている資料などもある。

これらによると、亡くなった男子生徒は、中学1年生当時から紙に落書きをされたり、プリントをぐちゃぐちゃにされるなどの他、机に名前を彫られるなど様々ないじめ行為を受けていた。

また、中学2年生当時は女子グループから一方的な嫌がらせや特定の生徒から目をつけられて難癖をつけられていたという。特に難癖は自死前日まで続いており、これを担任が助長するなどしたという。

この場にいた生徒の多くは、亡くなった男子生徒がみんなの前でやり玉にあげられ、不当に貶められていると思ったという。

亡くなった男子生徒に送られていたLINE(ご遺族提供)

亡くなった男子生徒に送られていたLINE(ご遺族提供)

亡くなった男子生徒は友人に、こうしたいじめ行為が「トラウマになっている」「眠れない」などと悩みを告げていた。

「学校に問題はなかった」。自死直後に校長が家族に放った言葉

ご遺族の話を聞く限り、多くの保護者、同級生は校長がいじめを隠蔽し、亡くなった男子生徒の自殺を隠そうとしていたことに怒り心頭のようだ。

提供された学校発行のプリントの中には「保護者の皆様にお伝えしたいこと」というものがある。2024年3月24日校長名義で書かれた1枚のプリントだ。

そこには、「ご家族との話し合いにより、3年生の進路選択が決まった3月に第3学年の生徒に伝えるということになっていましたので、学校からはお知らせをあえて控えておりましたことを先ず、ご報告いたします」とあるが、ご遺族によれば、校長らは自殺直後にすぐに自宅にやってきて、その第一声は「学校では問題ありませんでした。学校は問題ありません」であったそうだ。

そして、一方的に自殺の事は言わないと告げたという。

ご遺族が泣いて頼んで、やっと学校が同級生らに告げたのは「自宅で亡くなりました」という死因不明なコメントであったのだ。

つまり、「ご家族との話し合い」は事実上なかったのだ。

こうしたことは、いじめ自殺のケースではよくある事なのだが、「ご遺族が嫌がっているので」「ご遺族の意向で」という嘘であることが多い。

一方で、本件のご遺族は「教職員との接触」を禁じられたりもしていたし、校長らはご遺族の心痛が深いため訪問などをしないようにとアナウンスしていたという。

こうして隠し通していたが、人の死を隠すのは限りがある。

結果として、自殺ということがわかり、生徒らがいじめを告発し、保護者は学校の対応に抗議を始めたわけだ。

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