サッカードイツ代表の“異変”に国民が激怒。突然アディダス切ってNIKE乗り換え&ゴリ押しピンク色ユニフォーム採用が不安視される理由

 

ピンクと紫の新ユニフォームに見え隠れする「政治的意図」

さて、そのドイツサッカー界で最近、2度にわたってナショナルチームのユニフォームが物議を醸した。

まず第一弾は3月14日。まもなく始まるE杯(今年はドイツで開催)用のユニフォームが発表されたのだが、ホーム用と呼ばれる第1ユニフォームはこれまで通り白が基調で、そこに黒、赤、金というドイツの国旗をイメージさせる配色がなされた伝統的なものだったが、アウェイ用と呼ばれる第2ユニフォームが突然、ピンクと紫に変貌!岩盤ファン層は、それを一瞥した途端、ショックでひっくり返りそうになった。というのも、これまでの第2ユニフォームは、黒、深緑、あるいは濃い臙脂色などキリッとした色で、“雄々しく”決めていたからだ。

しかし、実は、ショックにはもう一つの理由があった。このユニフォームはあまりにも明確に、DFB、および現ドイツ政府の政治的思想を主張していた。彼らは昨今、極端に左傾化しており、LGBTQ+の促進にはことのほか熱心だ。しかも、政治家はそれを、文化も事情も異なる他の国にまで強要したがる。

例えば、22年のカタールでのW杯。開幕前、カタールが同性愛を禁止していることに、緑の党の政治家たちが人権蹂躙といきりたち、社民党のフェーザー内相が、「あのような国を世界選手権の開催国にすべきでなかった」と言ってカタールを怒らせた。ドイツチームの乗った飛行機には、いろいろな肌の色の人たちがスクラムを組むイラストに、Diversity Winsという文字が大書された。そして、対日本戦の日には、フェーザー内相が“正義を示す”ため、FIFA(国際サッカー連盟)が禁止したLGBTQ+擁護の腕章をわざわざ付けて、硬い表情でVIP席に座った。

選手たちが「手で口を押さえる」奇妙なパフォーマンスを演じた訳

しかし問題は、ドイツの代表選手たちが自動的に、これら“啓蒙ミッション”に組み込まれてしまったこと。選手たちが試合前の記念撮影で、手で口を押さえるという奇妙なパフォーマンスを演じたのもそのせいだ(「我々は口を塞がれた」という意味)。フランスチームのキャプテンが、「フランスを訪れた外国人には我々のルールに従ってもらう。だから、私もカタールでは相手のルールに従う」と述べたのとは、まさに対照的だった。

現在のDFBの総裁、ベルント・ノイエンドルフ氏は、ノートライン=ヴェストファーレン州が社民党政権だった2010年代に、政務次官を5年間も務めており、フェーザー内相とも非常に近い。それどころか、DFBの理事を務めるアンドレアス・レティヒ氏は、政治的にはさらに左と言われる。

結局、ドイツチームは肝心の試合は予選で敗退。4年に一度のW杯を心待ちにしていたファンたちも、テレビの前に手ぶらで取り残されてしまった。つまり、こういう背景があったため、彼らが今回のピンク色のユニフォームに政治的意図を感じたのは、ある意味、当然だったのだ。

しかし、DFBはカタールでの失敗を教訓として生かす気はなく、それどころか、来たるE杯ではピッチのみならず、応援席までピンクのユニフォームで埋めてしまうつもりだ。ノイエンドルフ氏いわく、「新ユニフォームは、“サッカーファンの新世代”と“ドイツの多様性”の表出」。氏の言うサッカーファンの新世代というのは、「“男らしい”などという抽象的、差別的、かつ意味不明の形容詞に惑わされない人間」という意味だ。果たしてこれに付いていく新世代ファンがどれだけいるのかは、6月14日、蓋を開けてのお楽しみ。

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