パンデミック期間中の医療従事者の精神サポートは効果があったのか?

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同僚同士のサポートは、そのほかのサポートに比べて精神状態の悪化を防ぐ効果はあるのでしょうか? 今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、パンデミック期間中の医療従事者に対する精神面での介入を評価した研究を紹介しています。果たしてその結果とは?

パンデミック期間中の医療従事者に対する精神的サポートに効果はあったか?

◎要約:『心的外傷等からの回復促進を図るピア(=同僚どうしの)サポートは、方法を順守すれば、通常の方法よりも、精神状態悪化を防ぐ効果があるかもしれない』

COVID-19によるパンデミック期間中には、危機的状況の感染症に対応する多くの施設で、医療従事者の精神への影響が懸念されました。

今回は、パンデミック期間中の医療従事者に対する精神面での介入を評価した研究をご紹介します。

Testing an Intervention to Improve Health Care Worker Well-Being During the COVID-19 Pandemic

A Cluster Randomized Clinical Trial

COVID-19によるパンデミック期間中の医療従事者の福祉に関する介入を評価する

アメリカにおける研究で、連邦認定保健センターを含む28施設、2,077の参加者が対象となりました。

今回、評価された介入方法は、同僚どうしのサポートによって、心的外傷・喪失・他の逆境体験からの回復、安全に関する感覚促進、静寂、自己の効力感、集団の効力感、希望に焦点を当てた枠組みを持っています。

結果として、以下の内容が示されました。

・それぞれの施設における通常の介入を受けたグループと今回の介入法の比較で、全体としては、精神状態の悪化(distress)やPTSD症状を評価する尺度で、明らかな違いを認めませんでした。

・介入方法を実際に実施できた(介入に対する遵守、いわゆるアドヒアランスが保てた)割合は連邦認定施設と通常の病院で開きがありました(70% vs 32%)。

・実施後の分析では、対象を30歳以下の連邦認定施設に限定すると、今回の介入法の方が、精神状態の悪化やPTSD症状が軽減していました。

通常の病院では何らかの実施が困難である要素があったのかもしれませんが、方法を守った場合には一定の効果が期待される介入であると思われました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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