「業界の中でちょっと良い方」では勝負にならぬ。居酒屋を100店舗以上も展開する企業はどんな条件で人材を確保しているのか

Tokyo,,Japan,-,July,18,,2023,:,Japanese,Bar,With
 

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行されて1年以上が経ち、コロナ禍以前の水準とまではいかないものの、客足が戻りつつある飲食業界。しかし外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんによると、売上好調店と不調店の2極化が進んでいるといいます。その差はどこから生じるのでしょうか。堀部さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で今回、好調店と不調店を分けている要因について考察。「異常値」をキーワードに詳しく解説しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:何故好調な店と不調な店の二極化が進んでいるのか?

何故好調な店と不調な店の二極化が進んでいるのか?

日本フードサービス協会のデータで見ると、3月のデータは下記となります。

  • 2019年比:113.5%
  • 2023年比:111.2%

おやおや、かなり伸びている!と感じますね。影響の受けた夜型の業態で見ると、

居酒屋

  • 2019年比:65.2%
  • 2023年比:106.0%

ディナーレストラン

  • 2019年比:99.7%
  • 2023年比:111.6%

このような感じです。

2019年比で見ると21時以降が100%には戻らないのでまだマイナスですが、ピークタイムは単価が上がった分プラスです。

しかし。

ご存知の通り2023年度の飲食の倒産件数は過去最高を更新しており今年も高い推移。

倒産に関しては財務戦略の話にもなりますが、PLだけで見ても好調と不調の差がより大きくなっているのを痛感しています。

この辺りの理由や対策をまとめてみたので、また参考になる事があれば実践頂けると幸いです。

■異常値を作れたか否か

  • 売上=有効顧客数×年間平均来店回数×組単価

上記の公式で見てみると、日頃の値上げの影響が出てくるのは「年間平均来店回数」の減少です。

実質賃金がプラスで回り続けるまでは、飲食にとってはここは悩みどころ。

マクドナルドさんや丸亀製麺さんなど、低単価・高頻度業態の会社さんはこれを減らさない為の施策が本当に多い状況です。

普通にやればここが減少する中で売上を伸ばそうと思うと、

  • 有効顧客数の最大化
  • 組単価の最大化

こうなる訳ですね。組単価に関してはもちろん適正価格化しますが、1年で5-10%のレンジになると思います。

そうなると有効顧客数を伸ばせるか?ですが、ここで大きな差が出ている!という状況です。

  • 繁忙期:ニーズがある
  • 閑散期:ニーズがない

上記ですので、閑散期は今の消費環境だとより環境としては厳しいと言えます。

そうなると、繁忙期に伸ばし切れるか。これの差がめちゃくちゃ大きいにも関わらず…

「スタッフ不足のため営業ができません」
「スタッフ不足のため料理提供が遅れます」

これの多発!!もちろん数少ないチャンスでこれをすれば、年間売上の最大化はより困難に。

つまり。年に2-3回来る繁忙期に向けて「異常値を作る逆算で準備をしてきたか」

これが好調店と不調店の差になる訳ですね。

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 「業界の中でちょっと良い方」では勝負にならぬ。居酒屋を100店舗以上も展開する企業はどんな条件で人材を確保しているのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け