M&Aは業界大手とメインバンクのどちらに依頼すべきか?事業再生コンサルが一銭の得にもならぬが敢えて書く

 

2.メインバンクにM&Aを依頼したB社

この会社は年商4億円、当期純利益2,000万円ほどの規模ですが、地元の地方銀行にM&A部門があり、そこに買い手探しを依頼しました。結果、1.5億円で売れました。

成約までにかかった時間は2年と、結構長いほうでした。

手数料は1,000万円で、デューデリジェンス費用なども含まれていました。業界としては安いほうかもしれませんね。

買い手探しは、銀行の取引先および提携している銀行間のネットワークでのみ行われるので、大手M&A会社ほど手広くはありませんが、そのかわり、売り手・買い手双方の財務内容をどこよりも正確に把握できるので、その点は安心感がありました。

また、「銀行」ですので、いろいろな意味で信用できます。反社会的勢力は全力で排除してくれるし、いいかげんな会社を紹介したりもしません。M&A成立後も「銀行」として長いお付き合いが続きますから、実質的に良いアフターケアを受けることもできます。

そのようなわけで、B社は非常に満足な内容でM&Aを成立させることができました。

このように、M&A仲介会社はその系列等によって一長一短あります。

大雑把にいえば、大手は押しが強く、成約が早く、アフターケアが弱い傾向にあると思います。逆に銀行などは、押しが弱く、成約が遅いですが、信用を重んじ、慎重に相手探しをしてくれて、アフターケアも良好だと思います。

(メルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田次郎』2024年5月20日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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