まさに“横浜事変”。教員のわいせつ事件裁判に「職員を動員し一般傍聴者を埋め尽くす」暴挙に出た横浜市教育委の組織的犯罪

 

問題発覚後に横浜市教育長が認めたとんでもない事実

また、本件問題が発覚して、これに応じた現教育長の下田教育長は、とんでもない事実を認めている。

  1. 今年4月に就任したばかり
  2. こうした事実は知っており、止めるように指示していたこと

横浜市教育委員会は、いじめ隠ぺいをしたことが記憶に新しい。2024年3月に、2020年にいじめを苦に自死した中学生の事件で第三者委員会が記者会見を行った。いじめと自死の因果関係を認め、学校の対応や市教委の対応を強く批判したのだ。

特に横浜市教育委員会は、学校が行った基本調査の報告書に「いじめ」という文言が入っていたのを削除するように指示していたことが明らかになったのだ。

組織ぐるみのいじめ隠ぺいを行っていた当時の教育長は下田氏ではなく鯉渕教育長であった。私は、公判動員のニュースで、そうか教育長人事で4月から新しい教育長になったのかとはじめて知ったが、これ自体、教育長の問題より教育委員会自体の組織的問題として考えなければならないのだと思ってゾッとしたのだ。

一方で横浜市教育委員会は、2019年からこうした傍聴席を職員で埋める公判動員を行っていたことを認めている。横浜地裁は抽選ではなく先着順であるため、早くから並び一番前から席を埋めていくように細かい指示を出していた。尚、裁判傍聴では立ち見はできない。

一方で、横浜市教育委員会は、被害側からの要請で行ったという。確かに性被害を受けた被害側からすれば、いたずらに裁判を公開されるのは嫌だろう。

しかし、裁判所はこうした公判ではかなり配慮しているし、新聞やテレビ報道の記者さんたちが当時は児童や生徒であった被害者の氏名や住所などを知ったとしても記事にすることはないだろう。

さらに、就任したてといえども、教育長が止めるように指示していたにもかかわらず、組織的な裁判傍聴の妨害、公判動員を行っていたわけだ。これはあまりに根深い問題だと考えざるを得ないだろう。

そして、もしもこの前代未聞の教育委員会の暴挙が発覚していなかったら、教育長の指示で本当に取りやめになっていたのだろうか?事実として、止めていなかったのだから、続いていたと判断しても問題はないだろうと思うのだ。

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