若くして夫が死亡。遺された妻と幼い子供は遺族年金を受け取れるのか?

 

3.死亡前に病気が悪化してきていたので障害年金を請求していた。

死亡前に時間を遡りますが、A夫さんは会社に在職中に体調の悪さを訴えており、退職後の令和元年5月13日(初診日)にB病院に行く事になりました。

そこで、危険な病気かもしれないという事で紹介状をもらい、C総合病院で令和元年5月23日に精密検査をして病気を発見しました。

その病気により闘病生活を送っていましたが、体をうまく動かせない状態がそれから死亡まで続いていました。

日常生活も支障があったので、死亡前に障害年金の事を知り、障害年金の請求を社会保険労務士に代理請求を頼んでいました。

まず障害年金の情報をまとめます。

・初診日(国民年金のみの加入)→令和元年5月13日

・初診日から1年6ヶ月経った障害認定日は令和2年11月13日(ここから請求可能)

・障害認定日時点での日常生活は多くが家族の支援などが必要だった。

・請求は令和6年1月20日にやったとします。

・請求日時点の請求(事後重症)でもよかったが、請求日の翌月からの支給となる。

・しかし障害認定日時点の障害状態も思わしくなかったので令和2年11月13日時点に遡っての診断書を、通っていたC総合病院の先生に書いてもらう事にして認定日請求をした(認定日請求は年金が令和2年11月13日まで遡る)。

さて、初診日が国年のみ加入の時なので支給される障害年金は障害基礎年金のみ。

令和6年1月20日から令和2年11月13日の障害認定日まで遡っての請求なので、請求が通れば障害認定月の翌月から令和6年1月分までの38ヶ月分が一括支給となる。

まず、障害年金を請求できるかの条件の一つである初診日の前々月(令和元年3月)までの保険料納付要件を見ます。20歳になる平成3年7月から令和元年3月までの333ヶ月の間で未納が3分の1を超えない事が必要。

未納期間は33ヶ月と48ヶ月なので81ヶ月。

81ヶ月÷333ヶ月=24.32%なので未納割合は3分の1(33.33%)を超えないから、障害基礎年金請求可能。

令和2年11月13日に遡って障害基礎年金2級の認定がおりたとします。

・障害基礎年金→816,000円(2級の令和6年定額)+子の加算234,800円×2人+3人目以降78,300円×2人=1,442,200円(月額120,183円)

・障害年金生活者支援給付金→月額5,310円(年額63,720円)

令和6年1月20日請求から令和2年11月の翌月までの38ヶ月分遡るので、120,183円×38ヶ月=4,566,954円が一括支給。(給付金は遡らない)

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※注意

障害年金請求後は審査がおりるまで約3ヶ月ほどはかかるので、実際の振込は請求した令和6年1月20日以降の令和6年4月15日に初回振り込みがあったとします。

そうすると、上記の遡り分と令和6年2月分と3月分(2ヶ月で240,366円)合わせた4,807,320円が振り込まれたとします。
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その後は令和6年5月31日にA夫さんは死亡。

年金は死亡した月分まで受給できますが、5月分は前月の4月分と合わせて6月15日に支払われるのでA夫さんはその2ヶ月分は貰わずに死亡しました。

この場合は死亡時に生計を同じくしていた一定の遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、3親等以内の親族の順で最優先順位者)が、未支給年金として請求して遺族の口座に振り込まれます。

妻が障害年金の未支給年金240,366円(4月分と5月分)を請求して受給したとします。

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