若くして夫が死亡。遺された妻と幼い子供は遺族年金を受け取れるのか?

 

なお、子が18歳年度末を迎えるごとに子の加算金が1人分ずつ減るのでその度に年金額が下がっていきます。
(ここの減り方は子の加算金に注意が必要ですが今回は割愛)

一番下の子が18歳年度末を迎えると遺族基礎年金と遺族年金生活者支援給付金は消滅し、その後は遺族厚生年金617,840円のみとなります。

しかし、A夫さんの厚生年金期間が20年以上あり、死亡時点で妻が40歳以上だった、もしくは40歳時点で遺族基礎年金の受給権者だった場合にその後に遺族基礎年金が消滅した後は妻の遺族厚生年金に中高齢寡婦加算612,000円(令和6年度定額)が加算されます。

一番下の子の加算金が消滅した後の遺族年金総額は、遺族厚生年金617,840円+中高齢寡婦加算612,000円=1,229,840円(月額102,486円)

配偶者やまだ小さな子を抱えて収入が困りかねない時のために民間保険の死亡保険などがありますが、このように公的年金が支払われる事になると子が高校卒業までは心強いものですね。

誰もが貯金があるわけではないし、民間保険も十分ではなくても遺族年金を残せると家族はだいぶ助かります。

このような場合のために最低でも20歳から60歳までは国民年金に強制加入となっていますが、未納などには気をつけましょう。

※追記
中高齢寡婦加算は妻が65歳になるまで。65歳以降は妻自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給となります。

ただし、妻の老齢厚生年金分が遺族厚生年金から差し引かれます。

例えば老齢基礎年金70万円+老齢厚生年金20万円であれば、遺族厚生年金617,840円ー老齢厚生年金20万円=417,840円が遺族厚生年金となる。
よって、65歳以降の年金総額は老齢の年金90万円+遺族厚年417,840円=1,317,840円となるという事です。(遺族年金生活者支援給付金は遺族基礎年金受給中のみ)

それでは本日はこの辺で!

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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