公約など無視して利権政治にどっぷりと浸かる小池都知事
小池氏の、出自からして嘘で塗り固められた半生は、2020年5月に発売された石井妙子氏の『女帝 小池百合子』(文藝春秋)に詳しく書かれています。かねて小池氏にある種の胡散臭さを感じていた私は、同年7月の都知事選挙に備えて、発売と同時にこの本を入手して読みました。石井氏の綿密な取材に基づいてその本に描かれた同氏の実態はまさに驚くべきものでした。
それ以来、私はこの人は政治家などにしていてはならない危険人物と見做すようになりました。もちろん、この本だけではなく、小池氏の問題については、作家の黒木亮氏、ジャーナリストの浅川芳裕氏、弁護士の郷原信郎氏などが地道に追及して発信を続けています。加えて、今年4月には、小池氏の元最側近であった小島敏郎氏から「2020年6月に駐日エジプト大使館のフェイスブックに掲載された、小池氏のカイロ大学卒業を証明するとの声明文は、小池氏側が自作したものである」との告発がありました。また、小池氏のカイロ留学時代に同居していて『女帝 小池百合子』では仮名で登場していた北原百代氏が、この本の文庫化に合わせて実名の公開に踏み切り、あらためて実名で小池氏の嘘を告発しています。これらのことにより、今や小池氏の虚像と実像については、十分な裏付けが得られていると解釈して問題ないと思います。
そもそも小池氏は、東京都議会自民党との対決姿勢をアピールして都知事になった人物ですが、その後はすっかり変節して、今や自民党べったり、引退した森喜朗氏や二階俊博氏、裏金議員の筆頭格で党内処分や説明責任から逃げ回っている萩生田光一氏などと結託して国政復帰を画策してきました。別にもともと都政に興味があったわけではなく、都知事のポジションは政治家としての自身の延命のための退避先だったのでしょう。「都民が決める。都民と進める」とした改革路線も見せ掛けだけ、「7つのゼロ」だの「12のゼロ」などと都民に約束した公約も一切無視して、神宮外苑の再開発や築地の再開発を始め、利権政治にどっぷりと浸かっています。
さらには、2020年7月の小池氏にとっては2期目となる都知事選挙の際に、カイロ大学に協力を求めて自作の声明文を出させ、その中で学歴詐称疑惑を打ち消すと共に日本のメディアに圧力をかけました。その結果再選を果たしたとすれば、エジプトの国家権力を誘導して都知事選挙への介入を許したと解釈することができます。エジプト事情に詳しい前出の浅川氏によると、エジプト政府に借りが出来た小池氏は、その後、まるでエジプト政府から東京都に送り込まれたエージェントのような立ち位置でエジプトへの支援を続けており、教育支援やODAなどの名目でエジプトに流れた金は累計で300億円にものぼると指摘しています。
小池問題の本質は、単なる学歴詐称や私文書偽造、それによる公職選挙法違反に留まらず、外国の国家権力に、日本の首都東京の都知事という権力者が弱みを握られて利用される関係になり、そのような関係作りを小池氏自らが自分自身の保身のために行った、というところにあります。これは東京都民や日本国民への明らかな裏切り行為であり立派な政治犯罪でしょう。
詳細については、ここで私が繰り返すよりも、以下の動画や記事を参照してください。
● 【ジャーナリスト浅川芳裕氏と語る小池百合子氏学歴詐称「カイロ大学声明」の本質】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」
● 【黒木・浅川・郷原鼎談「カイロ大声明」はジャーナリストに対する脅迫!~小池氏関与の法的責任は?】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」
● 【小池百合子都知事 元側近の爆弾告発】小島敏郎「『私は学歴詐称工作に加担してしまった』」フルバージョン(月刊文藝春秋5月号掲載)
● 徹底研究!小池百合子「カイロ大卒」の真偽〈1〉 (全6回の連載です)
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