裏金国会議員が好んで口にする「政治には金がかかるんだよ」というフレーズ。彼らが、およそ世のすべての仕事には金がかかるという事実すら知らない無能者なのは間違いない。それにしても「わからない」のは、なぜ彼らは飲食抜きの政治活動ができないのか、ということだ。米国在住作家の冷泉彰彦氏が麻生太郎氏の詭弁を喝破する。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:何度でも言う、地方の政治風土の何が問題なのか?
わからない、自民党の「食欲」が本当にわからない
政治には金がかかるので、カネを用意しないと選挙には勝てない。けれども、現行法においては、政治資金に関する自由度がない。
不祥事を受けた法改正は、より自分たちの行動を縛る。
そんな中で、比較的この問題で自由にモノが言える立場にいるらしい麻生太郎氏が、あえて岸田総理に対する批判を始めました。
しかし、麻生氏の主張を真に受けるのであれば「政治資金規制法の改革を骨抜きにせよ」ということになります。これでは、世論は自民党に対する反発を強めるだけでしょう。
ですが、麻生氏に代表される「厳しい選挙を戦い、その際には金が必要だった」政治家は、改革に反対し、しかも自分が悪いという反省は全くないようです。
あらためて問いたいと思います。
カネは何に使ったのか?
飲食と実弾(現金)だとして、どうしてそれが必要なのか?
飲食ぬきで議論できないのは「無能」の証である
具体的には、飲食の場合、仮に中央の政治家と地方政治家が協議する場合に、「どうして飲食が必要なのか?」、これがサッパリわかりません。
例えば、ダムを建設して防災減災を進めてもらいたいという要望を選挙区側が持っていたとします。それを国会議員に要望するのに、どうして飲食が必要なのでしょうか?
あるいは交通費のかかる対面コミュニケーションがどうして必要なのでしょうか?
本当に分からないのです。
自民党の政治家は中央も地方も全部、長谷川岳のようなカルチャーがあって、どうしても対面で説明しないと動かないのでしょうか?
そして対面で話をすると、どうしても食欲が抑えられなくなって飲食が発生してしまうのか、本当に分かりません。
ホンネを含めて自在な会話が必要だとして、水やお茶を飲みながらでもできるはずです。できないのなら、それは双方が無能なので、意思決定過程から外せばいいだけのことです。とにかく、分かりません。どうして支持組織を養うのに飲食が必要なのでしょうか?