「知識や経験が豊富な70歳」より「どちらも足りない30歳」が経営者に向いている。理由を企業再生コンサルタントが解説

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2023年には65歳以上人口が3,623万人に達し、高齢化率も29.1%と過去最高を更新した我が国。その影響はさまざまな場所に現れています。今回のメルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』では、著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんが、調査会社が発表した2023年の「社長の平均年齢」のデータを紹介。60歳以上の経営者が半数以上を占める現状に対して、「極論」と断りつつ自身の率直な考えを綴っています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:経営者の高齢化に思う

経営者の高齢化に思う

帝国データバンクの調査によると、2023年時点での「社長の平均年齢」は60.5歳だそうです。1990年の調査では54.0歳だったそうですので、経営者の高齢化が著しいのは明らかですね。

また、同調査には「社長の年齢構成比」についての説明もあり、これによると、80代以上が5.3%、70代が19.9%、60代が26.6%となっていました。60歳以上の経営者が、全体の51.8%を占めるのですね。

ちなみに50代が29.2%で、40代以下は18.8%です。全体として平均年齢が上がっており、若い経営者が本当に少なくなっているのですね。

● 引用元:全国「社長年齢」分析調査(2023年)

私の場合、サラリーマンを辞めて家業を継いで経営者の仲間入りをしたのが29歳でした。その後倒産回避を経て、事業再生コンサルタントNEKO-KENを創業したのが33歳のときでした。当時は自分が若いという自覚はなく、他にも30代前半で起業する人は沢山いたような記憶があります(ホリエモンも西村ひろゆきも20代でした)。

また、私が事業再生コンサルタント駆け出しの30代の頃、うちに相談に来られる方の年齢層も、現在よりはだいぶ若かったものです。最も多かったのは40代で、30代の社長さんも少なくなく、逆に70代以上の社長さんはあまりいませんでした。

あれから20余年。現在の相談者の年齢は、平均すると60歳前後です。70-80代の社長さんも随分増えました。逆に30-40代がめっきり減った感があります。

私の年齢と共に、相談者の平均年齢もスライドして高齢化しているような感じです。

複雑な気持ちです。

私の持論では、経営者は若いほうがいいと思います。失敗を恐れず前進できるマインドがあり、気力体力もみなぎっているからです。知識不足や経験不足は否めませんが、そんなものはがむしゃらに継続していれば
身についてくるものです。

極論すれば、知識と経験が豊富な70歳よりも、知識も経験もない30歳のほうが、経営者に向いているのではないかとさえ思います。

再生の現場を見て、よけいにそう感じます。

(メルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田次郎』2024年6月30日号より一部抜粋。続きは初月無料のお試し購読をご登録の上、6月分のバックナンバーをお求め下さい)

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事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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【著者】 吉田猫次郎 【月額】 ¥528/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 10日・20日・30日 発行予定

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