次に、日本の経済発展のための交通政策を変えることだ。
人手不足であり、輸送効率の低い道路輸送中心から輸送効率の高い鉄道・船舶輸送中心にして、赤字高速道路を造らず、黒字高速道路の利益を国に還元してもらうことである。
鉄道・船舶貨物で大量輸送をして、有人トラックは2次輸送という役割分担をするべきである。このためには、JR貨物、JR北海道、JR四国を統合してJRに戻し、東京と大阪では貨物路線をJR東、西日本からJRに移管するべきである。
1970年代の昔に戻すことだ。コンテナ輸送などの合理化やスピードUPは必要であるが、鉄道に重心を変えることで、大きなコスト削減ができ、かつ維持費も安くなる。レール維持と道路維持では、大きくコストが違う。その上、道路維持が税金であるから、レール維持でも税金を出してもよいと方向転換するべきだ。
これ以上、税金が取れないなら、道路からの収入を国が使うべきである。税金から高速道路事業の収入を上げるが、高速道路の国有化はしないで、民営化した道路会社の配当金を上げていくことである。配当性向を60%にして、法人税を合わせて国への資金を増すことだ。
このためには、赤字高速道路を造らない。サービスエリアなどの開発で、収益UPも狙らい、かつトラックの走行が少なくなり、道路の痛みも少なくなるので路面補修費が少なくなる。
または、今ある赤字高速道路を廃止して、維持費をかけないことである。骨格的な高速道路はあり、それで充分である。その分、鉄道貨物維持・拡大して、経費を節約した方がよい。JR西、JR東、JR東海には貨物路線維持と、線路の貨物使用枠を国の権限で設定する必要がある。
これにより、国の歳入と歳出も大きく変わることになる。GPIFが年金基金の運用で、大きな利益を上げているが、日銀も大量の株やリートをGPIFのような運用機関に送り、配当金もあるが運用して利益を得て、これも国の歳入に加えるべきだ。
このように、国も骨格を変化させていくことで、税金から運用益や事業益にシフトさせて、国民生活を守ることである。
この構想は松下幸之助が言っていたことである。それが実現できそうに見える。日銀の量的緩和で株式市場を活性化した利得であるようだ。
次の衆議院選挙では、次の日本をどう作るのかが、問われているように見える。
日本の飛躍が、次の世界秩序を作ることになる。世界の「立て替え、立て直し」の時代に来ている。その主役は日本である。
(『国際戦略コラム有料版』2024年7月8日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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