北朝鮮から亡命し韓国に住むことになった李日奎元駐キューバ北朝鮮大使館政治参事が、朝鮮日報のインタビューに応じ、北朝鮮の惨状と現実を伝えました。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、詳しく紹介しています。
『最高尊厳』以外はすべて奴隷
キューバ駐在北朝鮮大使館の李日奎政治担当参事(参事官)が昨年11月初め、妻と子供を連れて亡命し、韓国に住むことになった。李日奎参事は7月14日、朝鮮日報とのインタビューに応じ、「当初は核実験成功、ミサイル発射試験に対して自負心を感じたが、食べていく問題が本当に必要なのに核ミサイルに莫大な資金が投下されると知った瞬間から拒否感を感じ始めた」と語った。
李日圭(イ・イルギュ、52)元駐キューバ北朝鮮大使館政治参事は朝鮮日報とのインタビューで、「この記事が出れば北朝鮮当局は脱北者にいつもそうするように、私をゴミ人間と言いながら攻撃をするだろう」と述べた。それでもインタビューに応じた理由について、「北朝鮮の人権の惨状と現実をありのままに伝えるのが北韓住民のための道だと考えた」とした。以下はインタビュー内容。
──北朝鮮の外交官生活はどうでしたか。
「恥ずかしいですが、北朝鮮内の一部では外務省の人たちを『ネクタイをつけたコッチェビ(乞食)』と呼んでいます。貿易労働者や特殊機関の労働者に比べてポケットにお金はないが、対外活動をするためには高級服にネクタイは必須で用意しなければならないので、そのような話が流布してるんです。
外務省中南米、アフリカ・中東の副局長を務めた時、党の歳暮秘書も兼ねており、月給として副局長の最高労賃である北朝鮮から3000ウォンを受け取った。ところが、当時1ドルが北朝鮮ウォン8000ウォン程度だったので、私の月給は0.3ドル程度にしかならなかったということです。」
──海外派遣勤務の時はどうですか。
「海外では月給をドルでもらうので少しましです。「キューバ参事の時、月給が500ドル(約69万ウォン)でした。国によって異なりますが大使は600~1000ドル、公使や参事は500~600ドル、書記官は350~500ドルの範囲の給料を受け取ります」