子どもにジッとしていてほしい時など、子ども向けアニメを見せたりゲームをさせておけば黙っていてくれるので、子育て中の親の強い味方となってくれるタブレットなどの携帯メディア。しかし、使い方には少し注意が必要なのかもしれません。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、通常の発達を示している18~32ヵ月の幼児を対象に、携帯メディアの種類や利用法と子どもの注意機能との関連を調査した研究を紹介。モバイルゲームをしている子どもについて、コミュニケーションにおける懸念があると伝えています。
幼児のメディアコンテンツへの暴露と注意機能
◎要約:『メディアのうち、特にゲームで遊んでいると近くにいる大人との相互交流に支障が出る可能性が高い』
今回は、幼児期におけるメディアコンテンツの使用と注意機能との関連について調べた研究をご紹介します。
携帯メディアコンテンツへの暴露と幼児の注意促しと行動要求に対する反応
Mobile Media Content Exposure and Toddlers’ Responses to Attention Prompts and Behavioral Requests
定型発達の幼児62人(平均26.1か月、49%女性)が分析の対象となりました。
幾種類かのメディアの使用(例:玩具で遊ぶビデオ視聴、デジタルの玩具で遊ぶ、タブレットのゲームで遊ぶ)や活動の課題を行い、注意機能を調べるための共同注視(例:指をさす等の行動で注意の対象を他者と共有すること)や行動要求の合図に対する反応を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
- タブレットでゲームをしているときには共同注視の合図に対する反応が少なくなり、男性の幼児では行動要求に対する反応に長い時間を要していました。
- 月齢が高い方が、タブレットのゲームによる影響が大きくなっていました。
- 言語機能の高さと実際の玩具で遊んでいる時の共同注視の機能とが関連していました。
特にメディア・コンテンツの中でもゲームを行っている場合が、大人との交流に影響が大きく、発達への影響が懸念される結果となっていました。
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