「2プラス2」で合意された日本の軍拡と米軍との一体化
もともと安倍晋三政権で集団的自衛権を求める安保法制の制定により、日本に武力攻撃がなくても武力を行使する憲法解釈変更を可能にしたことを起点にして、岸田文雄政権で「安保3文書」(22年12月)により、敵基地攻撃能力を保有する方針に大転換した。アメリカ大統領選挙で誰が当選しようと、日本政府の意思として選択した方針ゆえに、政権交代と安保認識を変更しないかぎり、これからも制度化され続いていく。
7月28日に行われた日米安全保障協議委員会(「2プラス2」=「外務・防衛担当閣僚会合」。1960年の安保条約からはじまった)では、中国に対抗するため西太平洋地域における米軍の強化、日本の軍拡と米軍との一体化が合意された。
とくに注目しなければならないのは「拡大抑止」(「核の傘の提供」)の方針のもと、米軍と自衛隊が司令部機能を強化し、「統合作戦司令部」を24年3月に設置、「日本全国における日米共同演習および施設の共同使用のさらなる機会の追求を指示した」(「2プラス2」共同発表)ことだ。7月28日から沖縄県石垣島や与那国島などではじまった日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン24」は、実戦訓練と見ていい。
注目すべきは実務者協議を閣僚級に格上げすることが日本政府の要請で行われたことだ。日本がアメリカの従属国として行動しつつ、経済的には帝国主義国家として能動的に役割を果たしていく。「従属帝国主義」として全体像を捉えなければならない。
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