2022年以来、3年連続でNATO首脳会議に参加を続ける岸田首相。首相はこの軍事同盟への参加に前のめりとも評されていますが、当のNATOサイドはどのような思惑を持っているのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、海外ニュースメディアに掲載された元NATO最高司令官による意見記事の内容を紹介。日本国民が認識しておくべき国際社会の状況を誌面で伝えています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:拡大NATOに日本が参加する可能性
拡大NATOに日本が参加する可能性
今回、ご紹介するのは、西側諸国の防衛の将来予想の話です。
今年4月にサウスチャイナモーニングポストに掲載された記事です。
NATOはシンガポール、フィリピン、日本、タイなどを勧誘すべきだと元最高司令官が発言
元NATO最高司令官のジェームズ・スタヴリディスは、ブルームバーグに意見記事を掲載。
「同盟の自由、民主主義、自由、そして人権のビジョンを共有する」アジア太平洋諸国を勧誘することを提案しました。
その潜在的な同盟国のリストには、オーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国などが含まれています。
さらに、フィリピン、タイ、シンガポールなどの東南アジア諸国も、アメリカとの関係から勧誘される可能性があるとスタヴリディスは書いています。
解説
NATOをグローバルな軍事同盟にしたいという主張です。
もちろん、それは簡単な事ではありません。文化的、言語的な違いに加えて、合意を形成するのが難しくなります。
メンバーを増やすのは簡単ではないのです。
しかし彼は中間的な方法があると言っています。
「おそらく中間の道があるかもしれません。それは、同盟とアジアの民主主義国との間のより公式な関係を伴う可能性があります」と彼は付け加えた。
そして「明確に示された安全保障保証」や「高度な武器システムの共同調達」といったアレンジメントを提案しました。
確かに、NATOはすでにアジアへのアプローチを拡大しています。2022年以降、日本と韓国はこの軍事同盟の年次サミットに参加しています。
昨年、NATOは日本にリエゾンオフィスを設置することを検討していたと報じられました。しかし、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の反対により計画は頓挫しました。
解説
中国の巨大さと東シナ海、南シナ海、インドなどの国境紛争に多くの国が慄いています。それは日本の希望を無視して世界政治を動かします。
こういった議論がブルームバーグのような権威あるニュースメディアに掲載されているのです。
そして同趣旨の論文がやはり権威ある外交専門誌フォーリン・アフェアーズにも4月に掲載されています。
すくなくともそういった状況を認識しておくべきでしょう。
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(『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2024年8月4日号より。この続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録ください)
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