訪問した日(8月2日)の愛媛新聞に掲載された俳句は地域面に27句、文化面に24句、文芸面に128句、の合計179句(川柳を含めるとさらに多い)。これは脅威の数かもしれない。
この愛媛新聞の友人は子どもが小学生だった頃、学校から子どもだけではなく、保護者も俳句の提出を求められたという。新聞記者であるその友人は、記者のプライドゆえに腕まくりでその課題に向き合い、渾身の一句を提出し、見事入選を果たしたと、喜んでいた。
「障がい者の生涯学習」として有効であることは、冒頭のホスト役の女性に教えられた地域の句会の様子が大きな示唆となる。目の前の素材を俳句として表現し、その俳句を誰も「批判はしない」という。成果物を味わい、共有し、讃える。
その上で改善点を話すこともあるそうだが、車座になって、それぞれの句を味わうのが基本。出された句のすべては無視されることはない。ここに誰もが「学び合う」生涯学習のエッセンスが詰め込まれている。
何かの評価基準や達成度合いに左右されることなく、各人がそれぞれのペースに合わせて、そして周囲の人と関わり合いながら、新しい何かを得ていく。17文字に込める想いや情景、その短さ故に大衆的でもあり、難しさもある俳句は、やはり生涯学習に適した素材であることは間違いない。松山市の俳句に、障がい者の生涯学習の未来を見た気がした。
image by: shutterstock.com
ページ: 1 2









