全世界共通。「入院」「お金」「声帯」「手術」の言葉が出てきたら“詐欺”を強く疑うべき理由

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次から次へと新しい手口が登場し、被害者も増え続けている詐欺事案。これまで数多の事件を取材してきたジャーナリストの多田文明さんによると、そうした際に語られる特徴的な「言葉」があるといいます。多田さんはメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』で今回、耳にしたら即詐欺を疑うべき「4つのワード」を紹介。さらに本人名義の銀行口座を新規に開設させ全財産を奪うという、巧妙に過ぎる詐欺の手口を明らかにしています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:「入院」「お金」「声帯」「手術」は、全世界共通の詐欺のワード 議員の秘書給与の詐欺容疑は唖然の一言

「入院」「お金」「声帯」「手術」は、全世界共通の詐欺のワード

8月に入って、静岡市では80代女性のもとに、息子をかたり「声帯ポリープが悪くなり、入院している」などと電話をかけて、300万円をだまし取られる事件も起きています。

「声帯にポリープができた」という詐欺の電話は、息子の声とは違っていても、それを誤魔化すための方策です。

国内の詐欺グループだけでなく、ロマンス詐欺をしかける海外の詐欺グループも同じような手を使います。

突然の着信あり キャンベラ病院に入院中の未亡人から 5億円あげますロマンス詐欺師につきあってみると…

記事にもしましたが、Facebookで友達になった、花子和彦は、オーストラリアのキャンベラに住む70代の日本人の未亡人になりすましています。

「私も癌のため話すことができません。声帯がもうないからです。喉がひどく痛くて腫れていて、病院にいる間もとても苦しんでいます。化学療法と放射線療法を受けました。私は喉頭がんを患う未亡人です」とのメッセージの内容は、ロマンス詐欺の代表的な手口です。

しかも今は、メッセージ電話で着信を残す手も使います。何度も折り返しの電話をしつこくしますが出てくれません。相手はおそらくナイジェリア周辺の詐欺グループだと思いますので、日本語が話せないために出ないのだと思います。

しかし、電話に出られない相手の言い訳は「私も癌のため話すことができません。声帯がもうないからです」というものです。それなら「電話をかけてくるな」といいたいところです。

国内の詐欺グループの手口もそうですが、「入院」「お金」「声帯」「手術」のワードは詐欺につながります。これは全世界共通です。この言葉が出てきたら、詐欺を強く疑って下さい。

本人名義の別銀行の口座を開設してお金をだまし取る手口も

自分のネットの銀行口座を新規に開設させて、お金をだまし取る新手な手口も出てきています。

今、警察による詐欺グループの摘発が続いていますが、それに便乗するように「犯人を逮捕したら、あなたのキャッシュカードが出てきた」などいう電話がかかり、「あなたはマネーロンダリングしている疑いがある」と脅してきます。

そして「あなたに逮捕状が出ている」といって、逮捕状の画像をLINEを通じて送ってくることもあります。比較的若い世代もだまされがちですが、今は高齢の方もメッセージアプリを利用していますので、注意が必要です。

そして「あなたの財産を調べる必要がある」ので「紙幣の番号を調べられるネット銀行の口座を新規に開いて、現金をすべて移すように」と指示してきます。その時に、ログインIDやパスワードを警察をかたる詐欺犯に伝えさせられるので、すべてのお金がだまし取られます。この手口だと、自分名義のA銀行口座から、自分名義のB銀行の口座にお金を移すだけなので、銀行側も詐欺と気づきにくく、被害の広がりが懸念されています。

しかし紙幣番号を調べられるネット銀行はありませんので、こうした言葉出てくれば詐欺だと思ってください。

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