「いつもバイデンのポチ」だったわけではない岸田首相
2023年10月7日、今度は「イスラエル―ハマス戦争」が勃発しました。岸田さん、今度は「イスラエルを明確に支持」という感じではありませんでした。それで、G7は「日本抜き」で「イスラエル支持」の声明を出したのです。「産経新聞」2024年10月24日付。
先進7カ国(G7)から日本を除く6カ国首脳は22日、イスラム原理主義組織ハマスのテロに対し、イスラエルの自衛権を支持する共同声明を発表した。大規模戦闘の勃発後、米英独仏伊の5カ国は「クイント」と呼ばれる枠組みで連携しており、今回カナダが加わった。
岸田さんは、「バイデンのポチ」と呼ばれていましたが、「いつもポチだったわけではない」ことがわかります。
そして、この件、欧米は後に、日本の主張に近づいていきました。理由は、「イスラエルはガザ地区でパレスチナの民間人を『殺しすぎだ』という国際世論が高まっていった」からです。ここでも岸田さんは、「正しい判断」を下しました。
思い出してみましょう。立憲民主党の前身である民主党が政権にいた時代。鳩山さんは、「トラストミー事件」で日米関係をボロボロにしました。
ロシアのメドベージェフ大統領(当時)は2010年10月、ロシアの国家元首としてはじめて北方領土を訪問。日ロ関係は、最悪になっていました。
韓国の李明博大統領(当時)は2012年8月、竹島に上陸。さらに、「日王が韓国に来たければ謝罪せよ!」などと暴言を吐き、日韓関係は超険悪になっていました。
そして、2010年の「尖閣中国漁船衝突事件」と2012年の「尖閣国有化」で、日中関係は最悪になりました。
自虐史観で、何百万回でも謝罪を繰り返す決意を持っていた民主党の鳩山、菅、野田総理。しかし、アメリカ、中国、ロシア、韓国との関係は、まさに最悪になっていた。非常に興味深いパラドックスといえるでしょう。
安倍さんは、悪夢のような状態から、一歩一歩、外国との関係を修復していきました。そして、日米、日ロ、日韓関係は著しく改善され、日中関係もだいぶマシになっていたのです。
岸田さんは、日米、日欧、日印、日豪、日韓、日東南アジアなどとの関係を良好に保ちました。
日中関係、日ロ関係は、かなり悪いですが、これは仕方ないでしょう。
日中関係が悪いのは、アメリカが「米中覇権戦争」を戦っているからです。日本はアメリカの同盟国ですので、日中関係が悪いのは、「仕方ない」ということでしょう。
日ロ関係が悪いのは、ロシアが、隣国ウクライナを薄弱な根拠で侵略しているからです。だから、北朝鮮、ベラルーシ、シリアのように、ロシアとの関係が良好であってはいけないのです。
というわけで、岸田さん、外交はかなり立派だったと思います。
首相就任後ただちに消えた国民の声を「聞く力」
次に、岸田さん、何が悪かったのかを考えてみましょう。
皆さん、真っ先に思い浮かぶのは、「裏金問題」でしょう。しかし、「岸田さんは、裏金問題で失脚した」と考えないようにしていただきたいです。岸田さんは、【 増税路線で失脚した 】と考えて欲しいのです。なぜ?
岸田さん、当初は「聞く力」を強調されていました。国民の声をノートに書き留めている。1年間にノート3冊になるそうです。それを繰り返し繰り返し読む。「国民に寄り添っている」ことをアピールしていました。
ところが、「聞く力」は、総理に就任すると、即座に消えたようです。なぜ?日本国民はここ数年間、控えめにいっても「ひどい目」にあってきました。2019年、消費税率が8%から10%に引き上げられた。
2020年、2021年、新型コロナパンデミック大不況が世界と日本を襲い、バタバタとお店がつぶれていきました。私の近所でも、いきつけのお店、レストランがいくつか消えて、悲しかったです。2022年、2023年、ウクライナ戦争インフレ。これは、「新型コロナパンデミック」「ウクライナ戦争」など、岸田さんとまったく関係ない外的要因が生み出した悲劇です。









