国防省の巨大な汚職ピラミッドの頂点にあったショイ
ショイグ、見た目は非常に実直そうに見えます。しかし彼は、国防省の巨大な汚職ピラミッドの頂点にありました。
彼は、エリツィン時代からずっと非常事態相、国防相。地位は高いですが、大成功した起業家、経営者、投資家などと比べると、大金持ちにはなり得ません。ところがショイグの家は、巨大で、値段は1800万ドル(約27億円)だといいます。
● Где живет министр обороны Сергей Шойгу: фото дома на Рублевке
(@1分40秒ぐらいから家の写真がでてきます)
値段に関する出所→ ФБК нашел у Шойгу дом на Рублевке за $18 миллионов
彼は、どうやってこのような豪邸を建てる金を貯めたのでしょうか?
一般的には、「国防予算を横領した」と言われています。プーチンは、そのことを知らなかったのでしょうか?もちろん知っていたでしょう。
ところが、興味深いことに、プーチンは側近の汚職を「悪いこと」とは思っていないのです。なぜでしょうか?二つ理由があります。
一つは、汚職している側近を「いつでも逮捕できる状態にしている」こと。つまり、側近が逆らえば、即座に逮捕できる。
もう一つ、側近は、プーチンを裏切らない限り、死ぬまで汚職を続けることができる。つまり、「自分と家族がリッチな生活をつづけるため」に、プーチンに従順でありつづけるのです。
プーチンが側近たちに求めるのは、「清廉潔癖さ」「有能さ」「能力」などではありません。ただ一つ、「プーチンへの忠誠心」です。
ショイグは、汚職まみれの無能な国防相でしたが、逮捕されておらず、さらに今は安全保障会議書記という要職についています。彼は、戦争に失敗したので解任はされましたが、忠誠心は保っているのでしょう。
しかし、ここにきて、「国防省・ロシア軍 = 汚職天国」という状況が変わってきました。まず、ショイグの右腕イワノフ国防次官が汚職の容疑で逮捕された。「NHK NEWS WEB」4月24日。
ロシアでは、ショイグ国防相の側近でもある国防次官が収賄の疑いで逮捕されました。プーチン政権は、ウクライナ侵攻が長期化する中、国防省の綱紀粛正を図ろうとしているとみられます。
ロシアで重大事件を扱う連邦捜査委員会は23日夜、ロシア国防省のイワノフ国防次官を収賄の疑いで拘束したと発表し、モスクワの裁判所は24日、イワノフ氏は逮捕されたと明らかにしました。
ロシアのメディアによりますと、イワノフ氏は、ショイグ国防相の側近として知られ、2016年から国防次官に任命されて軍事施設の建設などを担当しました。
ウクライナへの軍事侵攻では、ロシア軍が占拠したウクライナ東部マリウポリで建設作業などの責任者を務めていたということです。
また、ロシアのメディアは「イワノフ氏は巨額の資産を保有し、最も裕福な官僚の一人」と伝えています。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、記者団に対し「プーチン大統領にも報告され、ショイグ国防相には事前に知らされていた」と説明しました。
ロシアがウクライナへの侵攻を進める中、ロシア国防省の幹部が汚職事件で逮捕されるのは異例です。
その後も国防省、ロシア軍の幹部が、次々と逮捕されています。「共同」8月6日。
ロシア連邦捜査委員会は6日、収賄容疑で国防省の元物資局長のウラジーミル・デムチク容疑者を逮捕したと発表した。ウクライナ侵攻を続ける主管官庁である国防省の現職や元職の幹部に対する刑事摘発が続いている。
そして、ショイグの後任で国防相に任命されたベロウソフは、経済学者。彼も、全然軍隊と関係ない人です。なぜ、プーチンは、経済学者ベロウソフを国防相にしたのでしょうか?「戦争で財政が苦しくなっているから、これ以上汚職を許すわけにはいかない」ということでしょう。面白いです。
ウクライナとの戦争の最中に、プーチンは、国防省とロシア軍幹部を、どんどん逮捕させている。









