「えっ!まだ若いのに」「亡くなる有名人が急に増えた気がする…」ここ数年、芸能界の訃報とセットで、そんな声がよく聞かれるようになった。たんなる気のせいか、それとも事実か。この記事では、元国税調査官で作家の大村大次郎氏が、往年の人気歌番組「ザ・ベストテン」出演者や、オリコンチャートイン経験者の死亡者数データを詳しく分析。2021~2022年頃にかけて“なぜか、ふしぎなことに”死亡者数が激増した真の原因を探っていく。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:なぜ有名人が次々に死んでいくのか?
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歌番組「ザ・ベストテン」出演経験者の訃報が急増
(※本項は7/16号を一部抜粋・再構成)
「ザ・ベストテン」は、1978年から1989年までTBSで放送されていた人気歌番組です。この番組に一度でも出演した人はスターと言っていいでしょうし、死亡した場合は訃報が出るでしょう。
出演者のほとんどは現在40代から70代で、亡くなるには少し早い年齢です。2018年以降に死亡された方の数は以下の通りです。
2018年:1名 2019年:0名 2020年:2名 2021年:0名 2022年:6名 2023年:6名
これを見ると、2018年から2021年までは、毎年多くても1人か2人しか死亡していないけれど、2022年と2023年はいきなり6名ずつになっており、急に死亡者が増えたことがわかります。率にすると600%以上の激増です。この死亡者の増え方は、かなり異常だと言えるでしょう。
なぜ?平均寿命を大幅に下回る死亡年齢
次に死亡年齢と死因を見てみましょう。
【2018年 1名】 5月:西城秀樹さん 63歳 急性心不全 【2020年 2名】 5月:浅野孝已さん(ゴダイゴ)68歳 虚血性心不全 6月:黒川照家さん(1986オメガトライブ)68歳 敗血症 【2022年 6名】 6月:葛城ユキさん 73歳 腹膜がん 7月:嵐ヨシユキさん(横浜銀蝿)67歳 肺炎 10月:渡辺徹さん 61歳 敗血症 12月:笠浩二さん(C-C-B)60歳 脳梗塞 12月:田中裕二さん(安全地帯)65歳 脳内出血 12月:高見知佳さん 60歳 がん性腹膜炎 【2023年 6名】 1月:高橋幸宏さん(YMO)70歳 誤嚥性肺炎 3月:坂本龍一さん(YMO)71歳 がん 10月:谷村新司さん 74歳 急性腸炎 10月:もんたよしのりさん 72歳 大動脈解離 11月:大橋純子さん 73歳 食道がん 12月:八代亜紀さん 73歳 間質性肺炎
これを見ると、もっとも高齢の人でも谷村新司さんの74歳であり、全員が60代から70代前半までの人です。現在の日本人男性の平均寿命は81歳、女性は87歳なので、平均寿命よりもかなり早く亡くなっているということになります。つまり、「社会の高齢化により有名人の訃報が増えた」というわけではないのです。「社会の高齢化」以外の要因で、有名人の死亡が増えているのです。
そして死因を見ると、新型コロナは一人もおらず、がんが多いことがわかります。有名人の死亡の増加は、新型コロナが要因でもないということです。<後略>