とんかつ「かつや」安さのヒミツは?やけにリピート率が高い理由をコンサルが分析

 

また、テイクアウトの注文も、ネット注文はできますが、電話でも受けつけています。

会計時には、次回使える「100円引き券」を手渡ししています。

電子決済もできるのですが、ポイントや電子チケットではなく、紙の割引券なのです。

この割引券の使用率は50%以上となっています。

つまり、リピート客が多いということです。

元々安い上に、毎回100円引きとなれば、リピート客が多くなるのも当然のことです。

リピート率が高い理由はそれだけではありません。

商品のラインアップにも秘密があります。

たとえば、一番安い「カツ丼」。「松」「竹」「梅」があり、豚カツの大きさを選ぶことができます。

安く済ませたい人も、ちょっとだけ贅沢を楽しみたい人にも、選択肢を用意しているのです。

カツカレーも「松」「竹」「梅」。

ソースカツ丼、ヒレカツカレーには、「竹」と「梅」。

また、豚カツ定食には、「ロースカツ」と「ヒレカツ」があり、それぞれに大根おろしがのった商品もあります。

さらに、チキンカツや海老カツ、メンチカツ、から揚げなども用意されています。

定食以外に、「海老フライ」「メンチカツ」「カキフライ」などが、単品でも注文できるようになっています。

そして、定食には「とん汁(小)」がついてくるのですが、これが美味しいと大人気となっています。

(小)となっていますが、一般的な普通サイズで、野菜がたっぷり入っています。

人気が高いので、豚カツをサブメニューにし、とん汁を(大)にした「とん汁定食」も誕生しています。

このとん汁には、豚肉、大根、人参、玉ねぎ、じゃがいも、こんにゃく、ネギが入っているのですが、野菜を納品する企業に加工してもらった上で、各店に配送しているので、ここでもお店での調理が省けます。

徹底した高効率化です。

安くするための工夫に脱帽です。

厳しい社会情勢の中、贅沢を我慢している人には、非常に有り難い存在です。

束の間の幸せを感じさせてくれます。

しかし、サービスは効率化せず、アナログのままで利用しやすくなっています。

大袈裟かもしれませんが、庶民想いの優しいお店です。

良く考えられた、素晴らしいビジネスモデルだと言えます。

このまま進化させず、いまのお客さまを大切にして欲しいと思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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