一方で支援団体には父親が進行していた浄土宗系のものがあり、神道もある。
そして、選挙時には創価学会からの投票も確実に得ている。
これらすべての宗教とつながるクリスチャンの石破氏は、宗教を必要なものと考え、そして宗教への尊敬と信頼を捧げる思いが純粋にあるからこそ、現在も各団体と継続したつながりを維持しているのだと想像できる。
演説の話の中に出てくる寓話やたとえ話は、宗教人としての矜持が織り込まれていて、その世界観は政治家としては異質だった。
一方で、自民党以外の「外の世界」ではクリスチャンという宗教への敬愛の情は、他宗教を信じる人とも通底していた。
石破氏の母方の曽祖父は牧師、金森通倫(1857~1945年)であることはクリスチャンの間では有名だ。熊本洋学校の生徒でつくるキリスト教グループ「熊本バンド」のメンバーとして活動、同志社大を作った新島襄から洗礼を受けた。
各地で伝道活動を続けたが、最終的には洞窟で生活する「仙人」として知られた。
風変りな曾祖父だが、世間ずれしているところは石破首相もそうなのかもしれない。
魑魅魍魎とした政治の世界の中で、石破首相はどんな啓示を受けて自分がここにいると考えているのだろうか。
「天命」を授かりものとして全身全霊で受け止める姿は、政治家なのだろうか、宗教者なのだろうか。
最終的には首相も仙人になるのだろうか。
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