小学校6年生のわが子は漢字がほとんどかけません。発達障害や識字障害ではないようですが、これからどのように勉強をさせていけばいいのでしょうか? というお悩みが人気コンサルタントの永江一石さんに届いています。永江さんは自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中でまずは親に理解してもらいたいことを語っています。
漢字が苦手な小学6年生の学習方法
Question
小学校6年生の子についてです。漢字がほとんど書けません。小2レベルかな、という程度です。読みに関してはそれなりにできています。視覚の検査などで通院もし、結果は良好とは言えないものの、発達障害や識字障害と判定されるほどではなかったです。
これから2年間、文字を書くことを訓練し高校受験までにそれなりに書けるようにさせるべきでしょうか。見ていると、ゆっくり書くことが苦手で、かつ細部を覚えていないので間違った文字になってしまう、という印象です(書けなかった漢字をパソコンで打たせて変換させると正解できるものはそれなりにあります)。
なので、漢字の書き取り克服に時間をかけるなら、本人が興味のある理科の実験に取り組んだり、パソコンのプログラミング言語を学んだ方がいいのでは、と考えています。
私自身がバリバリの文系かつ氷河期ど真ん中世代で20代で苦労した、という体験もあり、文系への努力ともいえる漢字を書けるようになる努力が必要とは思えないというバイアスもあり、何が良い選択となるのか悩んでおります。
子育て論、というには範囲の狭すぎる質問かと思いますので不採用も覚悟の上ですが、ぜひよろしくお願いいたします。
永江さんからの回答
最初に余談ですが「漢字が苦手な小学6年生のお子さん」と聞いて一番に思い出したのが、以前ブログでもシェアしたトモナオくんです。
https://www.landerblue.co.jp/6754/
当時の新聞記事は消えていたので原文はこちら
彼も幼い頃から「読み書き」が苦手で、6歳の時にアスペルガー症候群と診断されました。漢字は鏡文字になり、見え方も通常と異なるので平仮名のなぞり書きが出来ず、毎晩11時過ぎまで親子で学校の宿題を泣きながらこなしたそうです。(それがiPadなどのIT機器を使うことで大きく改善し、MITへの進学を目指すほどになったとのこと)
まず理解していただきたいのは、漢字は「書ける」より「読める」方が圧倒的に重要だということです。なぜなら漢字が読めないとどんな科目でも文章題が理解できないから。いくら理科が好きだからといって、読解力など文系的な能力が不要というわけではありません。
なので、まずはお子さんが漢字を「読める」かどうか確認してみてください。書けなくても読めるのであれば良いと割り切るのも一つの手です。わたしも今ではほとんど手書きで漢字を書くことはありませんが、仕事に全く支障はありません。
※わたしが実際に書いた手書きの文字はこちら。安心するかもしれませんw
おっしゃる通り、苦手な漢字の書き取り練習に膨大な時間を費やすなら、理科の実験やプログラミングなど、本人が興味のある分野を伸ばした方が将来的に実りが多いと思います。
これは漢字を諦めるという意味ではなく、例えば習字(書道)の習い事で、書き順にこだわらず、漢字をアートとして楽しむような教室があれば、漢字への興味関心が自然と育つかもしれません。また本をたくさん読むことで、知らない漢字を覚えていく可能性もあります。
大切なのは、お子さんに過度なプレッシャーを与えないことです。習字を始めるとしても「漢字を覚えるため」ではなく「漢字の美しさや楽しさを知るため」という姿勢で取り組んでみてください。きっとお子さんなりの学び方、伸び方が見えてくるはずだと思います。
この記事の著者・永江一石さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com