松本人志と週刊文春のバトルに意外な形で決着がついた。「判決」でも「和解」でもなく訴訟「取り下げ」。実質的に松本の完全敗北という印象は否めない。
松本人志が声明を発表「率直にお詫び申し上げます」
人気お笑いコンビ『ダウンタウン』の松本人志(61)が、『週刊文春』発行元の文藝春秋などに対する“5億5000万円訴訟”を取り下げることを発表した。
松本は、昨年末に文春がスクープした性加害疑惑や被害者女性2人の証言を「事実無根」と完全否定。自身の名誉が毀損され「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」として、5億5千万円の損害賠償と訂正記事の掲載を求める訴訟を起こしていた。
松本と文春、それぞれが発表したコメントは下記のとおり。
【松本人志】
これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました。松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます。
尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です。
この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。
どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします。
【週刊文春】
「本日お知らせした訴訟に関しましては、原告代理人から、心を痛められた方々に対するお詫びを公表したいとの連絡があり、女性らと協議のうえ、被告として取下げに同意することにしました。なお、この取下げに際して、金銭の授受等が一切なかったことは、お知らせのとおりです」(週刊文春編集長 竹田聖)
松本ファンはお通夜状態だが、一部信者から「みそぎは済んだ」の声も!?
松本が「事実無根なので闘いまーす」とXに投稿してから305日目。日本中が注目した裁判は「判決」でも「和解」でもなく、松本側の訴訟「取り下げ」という形で決着することになった。声明には「強制性の有無を直接に示す物的証拠はない」という微妙なエクスキューズが含まれているものの、実質的に松本の完全敗北という印象は否めない。
さんざん見苦しい言い訳をした挙げ句、ついに自らの否を認めて白旗を上げたお笑いのカリスマに、これまでネット上で擁護してきたファンたちもさすがに落胆を隠せない様子だ。
《松本さすがにヘタレすぎへんか。事実無根ってなんやってん》
《はぁ?クソ文春の記事のほうが正しかったってこと?ウソでしょ?》
《松本さんを熱烈擁護してきたワイ、家族からの信頼を失い大ピンチ…》
《最後まで戦ってくれると思っていたが、これでは負けを認めたようなもの》
《性加害を否定できないとなると、申し訳ないけど見る目が変わってしまうよ》
ただ、一部の“松本信者”からは、「これでみそぎは済んだ」「晴れてテレビ復帰やな」「年末のM-1グランプリ放送に間に合わせたいんじゃ?」といった希望的観測も。
今回の訴訟取り下げを“芸能活動再開への布石”という形で一部スポーツ紙が報じたことも影響しているようだ。あまりにも虫が良すぎる気がするが、実際にそんなことは可能なのか?
芸能関係者が言う。
「松本さんは、今のタイミングで白旗を上げるくらいなら、疑惑が報じられた直後に素直に謝罪して、ほとぼりが冷めるまで大人しくしているべきでした。そうすれば今頃はテレビ復帰の道筋がついていたかもしれません。でも現実の松本さんは、タチの悪い弁護士に騙されたのかもしれませんが、“間違ったファイティングポーズ”を取り続けてしまいました。性加害は事実無根と主張し、法外な賠償金を求めるスラップ訴訟を仕掛け、被害女性が裁判に出廷しないよう代理人弁護士による妨害工作まで行われたと報道されています。そうして万策尽きて、勝ち目のない訴訟をついに取り下げたといっても、松本さんは公には今日になってはじめて反省の気持ちを明らかにしたばかりということになります。考えうる限り最悪のルートを辿ってきた今の状態で、芸能活動再開やテレビ復帰は非常に難しいのでは?世間では“キャンセルカルチャー”への懸念があるようですが、ジャニー喜多川さんの性加害事件以来、人権侵害の防止基準を強化しているのは他ならぬ民放連ですしね。さしあたっては、松本の発表をうけての吉本興業の対応が注目されるところです」(芸能事務所関係者)