2019年のNHK朝ドラ『スカーレット』では川原家の次女、直子役を演じていた桜庭ななみ(32)が、所属事務所から退所・独立。今後は本名の「宮内ひとみ」として活動していくことを発表しました。契約満了で心機一転、とポジティブに報じられている今回の独立劇ですが、事務所社長の人となりを知る関係者からは「円満独立とは真逆の修羅場だったはず」との声があがっています。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。
円満独立は大ウソ?「桜庭ななみ」が「宮内ひとみ」に改名
戸田恵梨香がヒロイン“喜美子”を熱演した朝の連続テレビ小説『スカーレット』で、妹役の“直子”を演じた桜庭ななみが、11月11日付けで所属事務所『スウィートパワー』を退所しました。
そして、17年間世話になった“桜庭ななみ”という芸名からも卒業し、今後は個人事務所で、本名“宮内ひとみ”として活動していくことも発表されました。
“感謝”の言葉を繰り返し、円満退所のように報道する芸能媒体がほとんどですが、この事務所の名物社長の性格を考えれば、私の頭の中は“???”でいっぱいです。
“退所し、個人事務所を設立し、本名で活動を続ける”から読み取れるのは「17年間もかけて一生懸命育て上げてきたのに…恩を仇で返すつもり?」という声です。
なぜなら、発掘して成長させた自分に、後ろ足で砂をかけて退所・独立するタレントたちへの報復措置としてこの社長が使う得意技が、“芸名改名”だからです。
実際、同事務所から退所・独立したタレントを見てみれば、35人中9人が、それまでの芸名からの改名を余儀なくされているのです。
「手間とお金をかけて1人前にさせたのだから、出て行くのならば、名前を置いていくのが礼儀だろう」…今年3月末に、24年間所属していた『長良プロダクション』を退所・独立した氷川きよしのゴタゴタと、その性格は一緒のような気がします。
主力タレントが次々に独立、パワハラ・セクハラ疑惑の影響も
宮内の独立は、実は3年ぐらい前から、芸能記者の間では囁かれていた話でした。
原因は2021年3月に『文春オンライン』がスクープした、この社長のパワハラ、セクハラ疑惑の記事です。
公式サイトでこの疑惑を完全否定し、法的措置を含めた対応も検討中とした事務所でしたが、報道後は桐谷美玲、内山理名、黒木メイサ、高杉真宙ら主力タレントが続々と退所、独立することになってしまいました。
それぞれ退所、独立の理由は違い、宮内と同じ“感謝”の羅列がされていますが、本音は「この事務所にいつまでも所属していたら、自分にもあらぬ疑いがかけられ、イメージダウンにつながるかも…」という心配からではないでしょうか。
そして最後の大物と言っていい宮内も、とうとう退所・独立となったわけです。
想像するに、事務所サイドは「ななみは私のこと、裏切らないよね。朝ドラにも大河(『西郷どん』)にも出してあげたじゃない…」なんて説得を続けてきたと思うのですけれど。