三菱UFJ銀行「貸金庫窃盗」めぐる報道の不自然。広告主への配慮か取り付け騒ぎ警戒か?「単独犯なわけがない」指摘も

2024.12.18
by 東山ドレミ
 

「単独犯なわけがない」取り付け騒ぎから金融パニックに発展も?

先の金融機関関係者が続ける。

「考えてもみてください。40代女性元行員が本当に単独犯だと思いますか?いくら管理職だったからといって、怪盗ルパンじゃあるまいし、4年半にわたって他の誰にも知られず十数億円の顧客資産を盗むなんて、本来できるわけがないじゃないですか。

でも現実に彼女は、その不可能を可能にしてしまった。これは、今回の窃盗事件が組織ぐるみの犯行である可能性を強く示唆しています。いったい何人の人間が関与し、被害総額はいくらになるのか予断を許しません。貸金庫から客の金を失敬するのが特定の支店に代々伝わる“役得”だったというケースも考えられますし、銀行全体の“伝統”だった可能性すらある。類似の問題が他銀にまで波及する恐れも否定できません。

そのため、金融当局やその意向を受けたマスコミは、この事件を極力、穏便におさめたいのでしょう。何らかのキッカケで貸金庫だけでなく普通預金にまで人々の不安が波及し取り付け騒ぎが発生してしまえば、全顧客の全預金引き出しに対応できる銀行など、日本はおろか世界中のどこを探しても存在しませんからね」(金融機関関係者)

天下の三菱がまさかと思うが、金融パニックが起これば日本社会は大混乱に陥るだろう。現にSNSでは「預金のほうは大丈夫なのか」「実はスッカラカンでしたとかありそうで怖いよな」「これで取り付け騒ぎにならない日本人は平和ボケ」といった投稿が増えつつある。

半沢頭取の謝罪会見後、「銀行幹部は『SNSが収まらない』と苛立ちを隠せなかった」(東京新聞)と報じられており、三菱UFJ側も神経をとがらせているようだ。

そんな中、大阪エリアの同銀行副支店長が山口組トップの司忍(つかさしのぶ)氏を騙って顧客企業を脅迫していたことを18日の文春オンラインがスクープした。反社会的勢力(ヤクザ)の名前まで飛び出し、三菱UFJに対する信頼と信用はいよいよ地に落ちつつある。

「恐らく三菱UFJにとっての最善シナリオは、この女性行員が実はホスト狂いで、男に貢ぐためについ魔が差してしまって――といったものでしょう」(前同)というが、ここまでくるとソフトランディングは難しそうだ。

となると、せめて取り付け騒ぎの最悪シナリオを避けるには、報道管制を敷いてでも問題を隠ぺいするしかないのだろうか?筆者にはその体質こそが、SNSの不安心理をかき立てているようにも思えるのだが…。

image by: yu_photo / Shutterstock.com

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