石破自民に足元を見られた「玉木代表の大誤算」控除178万円めざす国民民主はなぜ少数与党の手玉に取られたのか?

 

自民党の術中にハマって用済みに?国民民主党に走る動揺

だが、党内の、とりわけ前執行部に近い議員からは批判の声も漏れる。合意文書を交わさず、いわば“口約束”だけとりつけて、簡単に補正予算案に賛成する新執行部への不満だ。旧文通費の使途公開をめぐり合意文書を交わしたにもかかわらず、その約束を反故にされたことが今も尾を引いている。

むろん、国民や立憲に後れを取っているという“焦り”があったのは事実。他党から移ってきていきなり国会を任された前原氏が“功”を急いだという面もあるだろう。

しかしこれを、自民党の側から見たらどうか。維新を政権側に取り込むための、取っ掛かりを得たとも言えるのではないだろうか。むしろ、維新のほうから政権側に飛び込んできた状況だ。

この間、自民党は補正予算案の衆院通過をはかるため、国民民主党だけでなく立憲民主党とも政策協議を進めてきた。衆院予算委員長ポストを立憲が握っているからだ。立憲の方針しだいでは、12日に予定している補正予算案の採決に進めないおそれがあった。そこで、立憲の求めに応じ、能登半島の被災地復興予算に1000億円を上積みするよう予算案を修正した。

立憲は本会議で補正予算案に反対したものの、与党の対応を評価。野田佳彦代表は「被災地の皆さんに少しは安心を届けることができた。これは大きな成果だ」と自画自賛した。

一方で、自民と立憲の交渉は、国民民主の党内に動揺をもたらした。立憲が補正予算案に賛成するかもしれないとの観測が飛び交ったからだ。立憲が賛成に回れば、自公政権は国民民主をあてにする必要がなくなる

自民党としては、思い通りの展開だった。立憲をからませることにより、「103万円の壁」を178万円に引き上げるよう強気一辺倒で押してくる国民を牽制することができる。実際、その効果は絶大だった。

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