国民民主党を“切り捨てる”タイミングを窺う自民党
自民党は来年の参院選をにらみ、「103万円の壁」をあるていど引き上げざるを得ない。だが、党内の財政再建派からの反発もあり、国民民主党に“大手柄”を立てさせるほどの減税は避けたいのだ。
国民の古川元久税調会長が17日の自公との会合で、新たな提案が出ないことを理由に、席にもつかず協議決裂パフォーマンスに及んだのも、自民税調の厚い“壁”を突き破るのにさらなる世論の応援が必要と考えたからだろう。
ともあれ自民党は、立憲、維新、国民民主の三党に対し、その要求の一部をのむ形で、少数与党となった衆議院における補正予算審議を乗り切った。与党が多数を占める参議院も予定通り17日に通過した。
だが、正念場は来年1月に開会される通常国会だ。自民党は政策的に近い国民との連携を重視してきたが、「103万円の壁」の引き上げ幅をめぐる交渉がこじれるようなら、25年度当初予算案の衆院通過が微妙になる。場合によっては、維新と手を握る方向に転じるかもしれない。
自公が少数与党になり、野党が政策実現を競う新しい景色が国会に広がってきた。それ自体は歓迎すべきことだが、競争を煽る与党の術中にはまれば、利用されるだけに終わるだろう。ここぞという時に野党は結束し、ともに戦う。その気構えがなくなったら、堕落した自公政権が延々と続くのを許すだけだ。
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image by: 自民党 – YouTube | 玉木雄一郎オフィシャルサイト









