兵庫県の斎藤知事とPR会社社長の公選法違反疑いをめぐり、読売新聞が関係者の重大証言をスクープした。こうなると、ほとんどの有権者は斎藤知事のほうがウソをついていると判断するのではないか?
「SNS監修はPR会社にお願いする形になりました」証言者現る
兵庫県の斎藤元彦知事とPR会社「merchu」代表の折田楓氏が、11月17日の知事選をめぐって公職選挙法違反の疑いで刑事告発された問題で、あらためて折田氏が違法な選挙運動に主体的に関わり、報酬を受け取っていた可能性が強まっている。
読売新聞の12月20日付記事がスクープしたもの。それによると、選挙告示前の10月上旬、支援者のひとりがSNS活用について協力を申し出たところ、斎藤陣営の広報担当者から「SNS監修はPR会社にお願いする形になりました」という旨の返事が届いたという。
折田氏が選挙後に自身のnote(ブログ)で「斎藤陣営の広報全般を任せていただいていた」と違法な選挙運動の実績を誇示したのに対し、斎藤陣営側は折田氏が話を“盛って”虚偽の説明をしたにすぎず、約71万円の支払いはあくまでポスターデザイン費用など合法なものだったと釈明してきたのは弊サイトでも既報のとおり。読売の報道が事実なら、斎藤知事のウソがまた1つ、明らかになったことになるが――。
「もともと斎藤知事側の説明は整合性がなく、説得力ゼロのひどいものでした。折田さんのnoteが炎上するよりも前に、身内である斎藤選対本部メンバーの高見ちさき姫路市議や、森けんと西宮市議が、折田さんにSNS戦略を依頼した旨、Xに投稿していたのに、シレっとなかったことにしてしまったわけですからね。そのうえ、PR会社社長の折田さんだけに全責任を押しつけて、ウソつき呼ばわりし、自分たちは知らぬ存ぜぬで押し通そうとしているのです。
そんな中で今回、読売新聞が、斎藤陣営の公選法違反をあらためて強く示唆する重大証言をスクープしてくれました。こうなると、ほとんどの有権者は斎藤知事のほうがウソをついていると判断するのではないですか?
さらに20日朝には、知事選に敗れた前尼崎市長・稲村和美さんの刑事告訴も兵庫県警に受理されました。稲村さんはSNSで『外国人参政権を推進している』などとデマを拡散され、さらに虚偽の通報で後援会のXアカウントを2度凍結されるなど悪質な嫌がらせを受けたとされます。今後の捜査しだいでは、斎藤知事側のSNS戦略と各種デマ、嫌がらせ行為の関係が明らかになる可能性もあり、“斎藤包囲網”は着実に狭まってきている印象です」(政界ウォッチャー)
「読売新聞など信じられない」“斎藤信者”は反発
ただ、一部の熱狂的な“斎藤信者”からは「読売新聞の報道など信じられない」という声もあがっているようだ。
「“オールドメディア”批判は大いに結構ですが、“だから斎藤知事のほうが正しいんだ”となると、単なる思考停止になってしまうので注意が必要です。SNS上を飛び交う真偽不明のデマとちがい、読売は時間をかけ裏を取って今回の証言を報じていることが見てとれます。権力監視というメディアの役割をきちんと果たしていると思いますよ。
これで、説明責任のボールは矛盾だらけの釈明をしてきた斎藤知事側に渡ったわけですから、もう観念してコソコソと逃げ回らずに真実を明らかにすべきでしょうね。そうでなければ政治不信が深まる一方です」(前同)
【関連】斎藤知事の嘘、立花孝志氏の罪、兵庫県民の愚。小林よしのり氏が日本の「一億総狂人化」を憂慮する理由
折田氏は実績を「盛った」どころか「過少申告」していた可能性
斎藤知事の代理人弁護士は11月27日の記者会見で、「merchu」の折田氏がnoteで誇示した選挙運動の各種実績について、「盛っているか、盛っていないかについては、盛っておられる」として、折田氏の虚言だったと主張した。
だが実際には、折田氏は「盛っていた」どころか「過少申告」をしていた可能性が取沙汰されているという。先の政界ウォッチャーがいう。
「斉藤知事側のストーリーにしたがえば、折田さんは上昇志向と自己顕示欲に溢れた“承認欲求お化け”の、いわゆる“キラキラ系広報女子”だったということになります。ちょっと頭の弱いキラキラ女子が、何を勘違いしたか、自分の手柄を盛りに盛って自慢してしまったんです、と。でも、もちろんそんなの全部ウソなので、みなさんは信じないでくださいね――と言っているわけです。
折田さんのブログの文体やインスタの写真に、“キラキラ系”特有の濃厚な香りが漂っているのは事実なので、このように雑なストーリーでも押し通せると勘違いしたのかもしれません。
でも実は、非常に不自然なことが1つあるんですよ。それは、“自己顕示欲が強く、頭も悪い”はずの折田さんがnoteの中で、斎藤氏の支持者が集まる『チームさいとう公式LINE』などLINE系アカウントに関してのみ、グッと我慢して触れなかった点です」(前出の政界ウォッチャー)
だがそれは、折田氏にLINEまわりでの貢献がなかったから、単に「書けなかった」だけではないのか?
「もちろん、素直に考えればそうでしょう。ですが地元兵庫では、斎藤知事関連のLINEオープンチャット、LINEグループ周辺で、折田さんから見てさえ“一発アウト”とわかる“ダーティワーク”が行われていたのではないか、だからあえてnoteに『書かなかった』のだろう――とみる関係者が増えています。
というのも、10月上旬からの斎藤陣営の動き、ボランティア募集のタイミングや、各SNSアカウントのユーザー数推移などを振り返ると、LINEだけが独立して動いていたとは到底、考えられないからです。
折田さんは、X本人アカウント、X公式応援アカウント、Instagram本人アカウント、YouTube公式アカウントについて、noteで『全神経を研ぎ澄ましながら管理・監修』したと自慢し、Xのハッシュタグすら嬉々として解説していました。SNS選挙運動の中心にいたのはまず間違いなく、LINEに関しても少なくとも連携は取っていたはず。そのため、彼女ですらnoteに書いたらまずいとわかる、“ダーティワーク”の中身に注目が集まっているわけです」(前同)
稲村候補を苦しめたデマや虚偽通報との関連は気がかりだ。斎藤知事のウソをあばく次の“爆弾スクープ”は、やはりLINE関連になるのだろうか?
【関連】斎藤知事「当選取り消し」か!?フィーバー仕掛け人の美人社長・折田楓氏に公職選挙法違反の疑い…“女ゲッベルス”の選挙戦略に批判殺到
【関連】斎藤知事、失職へ。女性社長「切り捨て」でも公選法違反から逃げ切れず…「折田楓氏は妄想系キラキラ広報女子」立証に壁
【関連】斎藤知事を刑事告発!暴かれるのはSNS工作の闇かマスコミの闇か?立花孝志との関係は…ネット選挙運動めぐる公選法違反容疑
image by: note – 折田 楓