生徒の髪を切り携帯も解約。行き過ぎた指導で生徒を自死へと追い込んだ「大阪清風高校」という隠ぺい組織

 

浮かび上がる「日常的人権侵害校」という事実

本人が使っていたカバン(ご遺族ご提供)

本人が使っていたカバン(ご遺族ご提供)

2023年3月20日、大阪弁護士会は、大阪清風学園の校則などについて、複数の生徒からその運用が人権侵害に当たるとして申し立てがあったことに対し、人権擁護委員会が調査を行い、人権侵害がある事を確認したとの書面を発行している。

いわゆる人権侵害であることへの勧告と要望書である。

これによると、校則に頭髪規定があり、定期的に散髪検査をする。頭髪検査の際、「検査をする教員が前髪を触る、押さえる、つまんで引っ張るなどして眉毛に前髪に届くと不合格となる」「教師によって合否の判定に違いがあり、特定の教師が生徒によって対応を変える。」「教師がハサミを渡して生徒自身で切るように指示をする、生徒の前髪を教師自身によってはさみで切る行為」について教師らが行わないように大阪弁護士会は学校法人らに勧告している。

また、同校の校則には「携帯電話持ち込み禁止規定」があり、これに違反すると、生徒とその保護者に携帯電話の解約を求める慣習についても、人権侵害に当たるので、解約などを求めないように勧告している。

大阪弁護士会は清風学園に、「生徒や保護者の意見に耳を傾け、頭髪規定や携帯電話持ち込み禁止規定などの校則を協議し、検討するという柔軟な対応」「生徒と対話をする風通しの良い関係の構築」を要望している。

眉につけばアウトなど、虐待とも言える教師による酷い行為が、校則の検査という校内のみ、恰も正当性を帯びた形で常態化しているというのだ。

さらに酷いのは、髪を切るという行為に関しての記載である。

清風学園では上の通り、頭髪検査に引っ掛かると、髪を自ら切るか、教師が切るかを迫られることになるが、弁護士会の質問に関し、教師が生徒の髪をハサミで切ったものは、生徒が望んだものだと学校側は回答しているが、調べによればそのような事実はないという。つまり、人権侵害についての調査に関し、対応をしても嘘をついていたのだ。

このような記載は枚挙に暇がない。まさに、嘘つき学校、虐待学校、こどもの権利人権を侵害することが常態化していた学校と言えるのではないだろうか。

本人の生徒手帳(ご遺族ご提供)

本人の生徒手帳(ご遺族ご提供)

このような環境の学校で起きた指導死事件である。報道の通りにはなかなか受け取れるものではないのだ。

結果的にご遺族は司法に訴え出るしか道がなくなったわけだが、これには私学の第三者委員会の中立公平性に問題が大きく絡む。第2弾は、この第三者委員会について深く切り込む。

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