結婚詐欺師の常套句。経営者を名乗る悪人は「何」が「どうされた」からカネを貸してほしいと言ってくるのか?

 

霊感商法の手口は今も様々なところで使われて、被害を出し続けている

24年11月に岩手や山形の人たちに「有名な寺院で祈祷する」などと嘘をついて、お金をだまし取った疑いで、宗教法人の僧侶(67歳)が再逮捕されました。3度目の逮捕ということです。

報道によると、2020年~21年にかけて、この寺院が行った相談会にきた60代女性に「血筋のせいで悪しき現象が起きている」といって、祈祷料の名目で800万円をだまし取った詐欺の疑いです。警察によると、約280人から、3億9,000万円ほどの祈祷料を集めていたとのことです。

「血筋のせいで悪しき現象が起きている」は、まさに旧統一教会も使った「家系の悪因縁であなたの人生は不幸になっている」という手口です。

開運・霊感商法は、本当に巧妙なので、多くの人がだまされてしまいますが、相手の資産などの個人情報をつかんで誘導するだけではなく、もう一つの手が使われているのを見逃してはいけません。それは悩みの数値化です。その深さに応じて、より多くのお金を取ろうとします。

旧統一教会が正体隠しの勧誘の際に、アンケートを使っていますが「あなたの人生の満足度は100点中、何点ですか?」という質問をしています。

おそらく多くの方は、60点、70点と、答えると思います。それは想定済みで、すかさず勧誘員は「足りない40点、30点は何ですか?」と尋ねて、悩みを聞き出そうとします。

もしその時、本人の満足度が10点、20点であれば悩みが深いことになり、高額な霊感商法グッズを売りつけられたり、浄財を名目にお金を出させられてしまいます。

つまり、資産を把握された上に、悩みの深さが数値化されて、それに合わせた被害になってしまうわけです。

「100点満点で、何点ですか?」という質問に答えた時点で、相手の術中にはまっていることになりますので、「あなたの人生の満足度は100点中、何点ですか?」と尋ねられれば、「人生100点満点です」と答えることをお勧めします。

勧誘相手はおそらく、悩みの数値化ができないので「本当ですか?」と聞いてくると思います。「はい、本当です」と答えれば、勧誘する相手はなすすべなく去っていくことになります。撃退法の一つとして知っておいて頂ければと思います――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2025年1月14日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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