京大教授が初のトランプ石破会談に懸念。このままではトランプ外交による国益毀損は免れ得ない理由

 

で、この対談について、トランプは次のように発言しています。

■記者の質問「2月7日に日本の首相と会談し、何を話すつもりか」

彼は来週、来る。私は(何を話すのか)分からない。彼が会談を求めてきた。私は日本に大きな敬意を抱いている。日本が好きだ。安倍晋三首相(当時)はとても親しい友人だった。彼に起こったことはとても悲しいことで、最も悲しい出来事のひとつだったが、彼らは私と話すためにやって来るので、楽しみにしている。

トランプ氏「日本が好きだ」 石破首相と来週会談を表明

アメリカにとって日本は極めて重要な国です。これからの米国外交の中心となる「対中強硬路線外交」を考える上で、日本はその中国との闘いにおける「最前線基地」となる「同盟国」だからです。同時に、「米朝戦争」においても日本は韓国に次いで重要な「同盟国」でもあるからです。

さらに、アメリカが改善したい「貿易赤字」を縮小する上で、日本は中国についで重要な貿易赤字国でもあります。

以上を踏まえたとき、日本はアメリカとの外交で、最低限でも次の諸点をトランプに説明しておく必要があります。

(1)アメリカは北朝鮮の核を「是認」する可能性がある。しかし、拉致問題を抱える日本としては、日本と北朝鮮は「准戦争状況」にある以上、日本としてはそうした方針は容認できないということを理解して貰う必要がある。

アメリカが北朝鮮の核を是認すれば、北朝鮮への経済制裁が解除され、北朝鮮の核の脅威が日本、韓国にとってさらに拡大することになる。そうなると、韓国も日本も核武装をすることが必要不可欠となる。そうなると、日米安保条約の形も抜本的に改変することが必要となる。日本はもちろんそれでも構わないが、そこまで理解した上で、アメリカは北朝鮮の核武装を是認するか否かを問いただす必要がある。

(2)日本に対する関税を引き上げる可能性があるが、そうするまでもなく、日本が内需拡大策を展開すれば(それと同時に消費税減税を行えば)、アメリカの貿易赤字は縮小することになる。そうすれば、関税引き上げに伴う米国経済における不利益(コストプッシュインフレの加速)を回避することができる。

(3)アメリカは在日米軍の負担を軽減する方針を宣言しているが、それにあたっては、ーーー。(『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2025年2月1日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください)

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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【著者】 藤井聡 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 土曜日

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