吉本興業所属の芸人やプロ野球選手らが手を出していたことが明らかになったことで、連日ニュースで取り上げられている「オンラインカジノ問題」。なぜ、「活動自粛」に追い込まれた彼らは、違法であることを認識できていなかったのでしょうか?今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では著者の多田さんが、ネットに広告が出ていたことで安心してしまったことを原因の一つとしてあげながら、テレビやラジオまでもが広告を出していたことを問題視しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:オンラインカジノをなぜ、違法と思わなかったのか? やはり広告掲出の問題が大きいのか? 特殊詐欺の被害は700億円超えて過去最悪 だまされないために必要なこと
芸人、野球、卓球選手がオンラインカジノに手を染めるなど社会問題化
お笑い芸人、卓球や野球選手がオンラインカジノに手を染めていた実態が明らかになって、社会問題化しています。いずれも30歳前後で、お金と時間もある世代が、手を染めている傾向もみえています。しかし、年齢における垣根はなく、スマホで24時間、手軽にカジノができることから、若年層から中年層に至るまで、すべての世代で気をつける必要があります。
オンラインカジノが海外で合法とされていても、日本国内から賭け事をすることは犯罪行為に問われます。手を出せば「賭博罪」で50万円以下の罰金又は科料となり、常習的に賭博をしたとすれば「常習賭博罪」となり、3年以下の懲役となります。
いずれにしても「グレーは、アウト」という強い意識を持ち「オンラインカジノでの賭博は犯罪」ということを知っておく必要があります。
なぜ多くの人は、違法と思わなかったのか
なぜ、多くの人はオンラインカジノの違法性の認識が希薄だったのでしょうか。
要因は幾つか考えられますが、一つに、知人からの紹介で「違法ではない」とする言葉を鵜呑みにして、始めてしまう人が多くいたことだと考えています。ネットを含めて、口コミで広がる情報には、フェイクがひそむものです。信頼のおける知人からであっても、違法性の有無を確認をするようにしてください。
もう一つが、オンラインカジノの広告がネット上に出てきていることです。
「無料版」としていますが、最終的には、お金を賭ける行為に誘導したい目的があることは明らかですので、広告が出続けていたことは問題視されるところです。
広告は厳格な審査をされて出てきているものと思う人は多いかもしれませんが、ネット上に掲出される広告は確認や審査がないものがほとんどです。
これまでも、フェイスブックなどのSNS上に有名人をかたる広告が次々に出てきて、偽の投資サイトに誘導されて被害に遭う人が多くいましたが、広告を出す人物の本人確認だけでなく、広告内容の審査が充分になされずに、掲出され続けて被害が大きくなりました。
法律的にもプラットフォーム側を規制するものは現状ありませんので、今後も、詐欺広告やオンラインカジノの広告など違法性につながるものが出てくる恐れもあります。
この記事の著者・多田文明さんのメルマガ
ようやく違法性につながる広告を規制する取り組みが進み始めているものの…