ポケットのSuicaを見れば思い出す。気仙沼線「東北地域本社色」とキハ40系、もう見られない風景

 

気仙沼線写真展では、気仙沼駅に停車する車両、海辺を走る車両、車両基地から出発する車両、森の中、ライトを照らし疾駆する車両、もう戻らない景色と車両の風景は、車両が語り出しそうな雰囲気もある。

キハ40系を改造したお座敷列車の「ふるさと」は、元来「漫遊」として数奇屋づくりの高床層畳敷きで作られたが、2000年から小牛田運輸区所属となり、2000年から「ふるさと」に変わった。

上部がグリーン、下部が黄土色のカラーは渋く、高級感さえ漂う。

あの色彩が気仙沼線を走っていたことを想像する。

そして、それらの車両たちは今もどこかで働き続けているかもしれない。

その場所は日本のどこなのか、それとも東南アジアのどこかの国か。

気仙沼線で活躍したキハ48、キハ40たちが「そこにはいない」ことによって、想像は膨らんでいく。

毎年行われる代々木での写真展は、JR東日本の本社がある場所のおひざ元でもある。

毎回鉄道ファンも来てもらいたいと思いながら、具体的なアプローチはしてこなかった。

鉄道を通じた風化防止は、私にとって新しいテーマ。

駅のホームで車両を撮影する人や、駅のアナウンスを録音する人、ホームに入ってきた車両に目を輝かせる小さな子ども。鉄道には、人を惹きつけてやまない魅力がある。

たんなる移動手段ではない、その人なりの付加価値を見出している鉄道ファンのみなさまに敬意を表しながら、彼彼女らに宿る車両への愛情と震災で失われてしまう、車両や風景を重ね合わせて、震災を感じる機会にできたらよいと思う。

東京・代々木のカフェヌックで3月10日(月)から22日(土)まで開催。

来場の際には、鉄道ファンのひとことも是非記載してください。

【関連】専用道路に感じる気仙沼線の名残は、鉄路を知っている人の郷愁か

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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