欧米で「テスラ離れ」が広がっており、一部の中国メディアでは「中国でもテスラの販売が半減した」と報じられました。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では、それが真実なのかを確かめ、テスラだけでなく、中国自動車業界全体にかかわる問題であるとの見方を示しています。
テスラの中国販売が半減? ではなく中国外のEV低調が急激すぎる
トランプ米政権内で影響力を強めるイーロン・マスクCEOにより、反トランプ志向の強い消費者のテスラに対するイメージが悪化している。
EV低迷と重なって、欧米で「テスラ離れ」が広がっており、テスラにとってはダブルパンチだ。
中国ではどうか? 中国では前年同月比で5ヶ月連続販売減、さらに販売が半減しているなどの情報を報じ、その中国メディアが日本語でも報じている。
本当か?
調べてみると、そこまで減少はしていないが、確かに中国でもテスラ離れは若干見えるかもしれない。
出荷台数が不調
テスラの2025年2月の上海工場からの出荷台数は3万688台となった。
これは前年同月比実に49%減、つまりほぼ半減だ。春節のあった前年と、春節の無かった(連休は若干あった)今年で、全く真逆の数値となっている。
前月の2025年1月と比べても半減しており、落ち込みが激しい。これで、2024年10月以降、確かに工場出荷台数は5ヶ月連続で減少している。
中国販売はそこまで
しかし、中国国内販売だけ見てみると、下げ率は11%にとどまる。
それでもマイナスなのだから、春節要因とは本来真反対の傾向ではある。
しかし、中国国内販売はこれで、前月に続く2ヶ月連続のマイナス成長に過ぎない。
中国国内販売は2024年8月若干のマイナス成長になったほか、2024年9月から12月まで、しっかりとプラス成長を遂げている。
つまり、足元は厳しいが、もう何ヶ月もマイナス成長の状態、ではない。
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