学長が自ら語る、学びたいと思えば誰でも入れる「みんなの大学校」が目指すところ

 

これら学びの想定には、「交わって新しいことを発見する」との共通のイメージがあるものの、みんなの大学校としては、高等教育を提供したいとの思いと、それは各個人の次の可能性を信じての取り組みを前提としているのが特徴的だ。

学びを交流の場と考えるのもよいし、さらにその交流が何らかの発見を促し、次へのステップにつながること、それは「成長」と認識されるものである。

この成長する、には学びの要素が必然と考え、私たちは学びの「足場をつくること」「あしがかりを見出すこと」が仕事のひとつとも考えている。

あしがかりとは学びのベースのようなもので、それは高校までの学校で培われたものもあるが、実はそれがすべてではない。

特別支援学校などの学校で提供されるものには限界があり、その限界からバトンを受けて、新しいあしがかりで学びが構築できれば、継続した学びの先にさらなる可能性が広がるのである。

それまでの特別支援学校の学び、関わってきた先生や関係者の尽力に敬意を表し、新しいステップに向けての、リレーを新しいメンバーとともにつなげて、そして始まる。

例えば、文字認識が弱かった人に、それまでの「文字を意味のあるものとして覚える」から、「文字をさまざまな形の違いから意味づけられるもの」と認識し、形から文字を覚えていくことが、その人にとっての文字認識の最適な学び、足がかりかもしれない。

多くのものが意味を伴うことを前提にコミュニケーションが進む中で、その意味をいったん立ち止まって、その人なりの、それが障害と呼ばれる特性なりの、一般とは違うものがあるのであれば、それを優先したい。
この分野は、みんなの大学校の大内雅登教授が専門で、新しいコミュニケーションと学びの足がかりの構築を見据えて、学生とともに考え始めた。

考え、動き始めて、何が見えるのだろうか。

新しい学びに向けて今年度も面白そうな展開が続くことになりそうだ。

みんなの大学校

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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