■ 最新情報と今後の展望は共創とローカル化の未来
2020年代に入り、ネットフリックスは「ローカルコンテンツの強化」を一層打ち出している。
すでに日本ではアニメやドラマへの巨額投資が進められ、『幽☆遊☆白書』の実写版、『サンクチュアリ -聖域-』などが話題となった。どちらにしても映像技術とは昭和とは比べ物にならない。素人目にしても。
また、ローカル制作チームとの連携も強化され、単なる外資ではなく「日本発のグローバル展開」という流れを模索している。ここは強化してほしいところだ。
さらに注目すべきは、視聴者との“共創”の兆しである。レビュー機能やSNSとの連動、インタラクティブコンテンツ(視聴者が物語の展開を選べる)といった試みは、視聴者を「ただの消費者」ではなく「物語の一部」へと引き込んでいく。
これが新しい心理的エンターテインメントのかたちなんだろう。
■ 変化の中で問われる「見る力」
ネットフリックスは、日本社会に「何をどう見るか」という問いを投げかけ続けている。
ただ便利で楽しいだけでなく、私たちの時間の使い方、感情の揺れ、そして人とのつながり方をも変えてしまう力がある。この巨大な“映像の図書館”をどう使うかは、視聴者一人ひとりに委ねられている。
ただ、家族の分断がどこまで影響してくるのか若干の不安があるのが現代なのではあるまいか。
その意味で、我々に必要なのは「見る力」、すなわち情報を受け取るだけでなく、自ら意味を見出し、問いを立てる力である。
面白ければ、「面白い」と共有してそこからコミュニケーションが得られればまだ良いのかもしれないな。
ネットフリックスが与えた経済的・心理的影響は、単なる“視聴”という行為を超え、日本社会そのものに深く根を張り始めているのだ。
「見方・見る力」をどのように共有し咀嚼できるかが家族間の新しいコミュニケーションにも発展するのだろう。
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