これらの事件の裁判について、中国側は日本メディアの傍聴を認めませんでした。「朝日新聞」によると、日中外交筋の話として、いずれの事件でも公判で被害者が日本人学校の関係者であることには触れられなかったとのこと。
逆に言えば、犯人が「日本人だから狙った」という疑いが拭いきれません。だから日本メディアに裁判を取材させず、また、襲われたのが日本人学校の関係者であることについて、触れなかったのでしょう。中国国内での反日教育がこのような凶悪事件を生んだわけです。
矢板氏の主張に関連して、ネット上では、ある人が「中国のある地域で反日サマーキャンプが開催された」という動画を発見し、「中国が反日教育を続ける限り、日本人は中国に行くべきではない」と強調していたそうです。
もともと日本の外務省は、中国で反日機運が高まっているとして、注意喚起してきました。2023年8月にはALPS処理水の海洋放出開始に伴い、中国で嫌がらせの行為などを受ける可能性があるとして、2024年9月には、先の蘇州と深センの事件を受けて、注意喚起をホームページに掲載していました。
この日本外務省の注意喚起への対抗策なのでしょうか。在日中国大使館は4月18日に日本在住および日本に渡航予定の中国人に対して、日本で無差別殺人事件や、中国人を狙った詐欺や窃盗があり、またノロウイルスが流行しているとして、安全と衛生対策の強化を求める注意喚起を行いました。
● 在日中国大使館、中国人観光客らに注意喚起 “治安悪化し、ノロウイルスが流行”
とはいえ、実際には日本に来て犯罪を犯す中国人は増加傾向にあります。2024年1年間で検挙された外国人は、中国人がベトナム人に次いで多く、2011人です。
かつてもっとも外国人検挙数が多かった2005年では、外国人犯罪の主役は圧倒的に中国人でした。それに比べれば犯罪自体は減少していますが、それでもここ数年では、再び増加傾向にあるといいます。
● 来日外国人の犯罪 増加傾向 組織的事件も 警察庁 取締り強化
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