飲食業の人手不足が深刻化。新たに「別業種へ参入」する時の注意点は?

 

■製造拠点の管理

標準原価計算として3つのコストから原価算出をお願いします。

  1. 材料費:使う材料の単価 × 使用量
  2. 労務費:作業時間 × 時間当たりの人件費
  3. 製造間接費:工場全体にかかる費用を配賦した標準

意外と抜けがちなのが3.です。ここを入れないと一体どの製造量でコスト圧縮できるのか見えなくなります。

そして上記にて標準原価と実際原価の差額をひたすら追えるようにします。

標準・実際・差額として、

材料:1,000・1,200(+200)
労務:1,000・800(-200)
間接:500・500(0)
合計:2,500・2,500(0)

こんな感じです。

合算で見るとプラマイゼロですが、製造効率は良くて労務部分は改善。

しかし原価自体が高騰。仕入価格変更がなければ何かしらのロス。それを探っていく感じになります。

基本的な管理はこれで進めていきます。

具体的なステップとしては、

i)標準原価を策定

ハンバーグの種をCKで作る

ひき肉:100g→120円
玉ねぎ:30g→6円
パン粉等:一式→10円
材料小計:136円

労務費:1個辺り1.5分→32円
間接費:1個辺り5円計上

合計:173円

ii)実際とのギャップ把握

材料・労務費各々で標準値との
ギャップが出たか見ていく。

その上で、

材料費上昇の場合

  • 仕入れルート見直し
  • 材料自体の見直し
  • 基準値の見直し

労務費上昇の場合

  • 作業効率の見直し
  • 最新機器の検討

間接費上昇の場合

  • 製造絶対数増加の戦略作り
  • 固定費の見直し

ここを常に見直していく事になります。

■労務費で見落としがちな点

作業自体は機械を動かすので60分でいける。しかし前後の準備などで20分かかる。

本来であれば80分で考えるものを60分で計上するので理論上無理がある。

これも良く起こるので前後時間も想定した上で基準労務費は作っていく必要があります。

■製造拠点導入時に避けたい点

上記の管理はアイテム数が多ければ多いほどにやってられません。管理が大変すぎるんですよね。

よくある失敗例の一つでもあるのですが、あれもこれもCKに業務を移管するケース。

  • CK側でコスト管理しきれない
  • 教育しきれなく効率が悪い
  • 管理しこれなく質が悪化
  • 発注ルールが煩雑で物流費高騰

この辺が本当にあるある。

基本的にはなるべく少ない品目ながら店舗への影響が大きいものだけを徹底的に効率良くしていく。

この形ができてから横展開を考えていく必要がありますーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年5月19日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

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