さまざまなものを大量購入して転売する転売ヤーと呼ばれる人たちの問題に迫るのは、特殊詐欺に詳しいジャーナリストの多田文明さん。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、先日のちいかわコラボハッピーセットで発売したマクドナルドが転売をしないように呼びかけましたが、その効果はあったのか、そして転売の国際的犯罪グループの関与について語っています。
マックの「転売を控えて」のお願いは、効果があったのか、なかったのか
マクドナルドの「ちいかわ」とコラボしたハッピーセットの第一弾の販売が、早々と終了しまいました。そこには、組織的な転売グループが商品を買い占めた疑いがあります。実際に「ちいかわ」の商品がフリマなどで、多く転売されています。
そこでマクドナルドは、第二弾の販売で「多くのお子様にお届けするため」に、一人4セットまでの購入として「転売または再販売、その他営利を目的としたご購入はお控えください」と呼び掛けました。
この効果は、あったのでしょうか?
〈マクドナルド・ちいかわコラボ第2弾〉「買えないとわかった瞬間スーッといなくなった」転売ヤーはGUにも…当日の両店舗ルポ「11時前には900食以上が完売」「朝5時から行列が」(集英社)
この記事によると、1回目の「ちいかわ」とのコラボの時は、「中国人のお客様がすごく多く」といったのに比べて、今回は「日本人客ばかりだったので、店員が注意しなければいけない場面はまったくありませんでした」としており、転売ヤーらしき姿はあまり見られなかったといいます。
私は、ヤフーニュースのコメントで「一人4セットまでの購入」としただけでは、「十分な転売対策とはならず、相手が組織的な転売購入を行うグループの場合、効果がどの程度あるのかは微妙である」としました。
確かに、この「お願い」だけでは、転売行為への充分な対策にはなっていませんが、この告知のニュースが大きくネットで報じられたことで、一定の抑止効果も出て、転売ヤーらしき外国人の姿がみられなかったことにつながっていると考えています。
というのも、組織的に多くの商品を買おうとすれば、それなりにコストがかかるので、何かしらの対策を打たれると、購入しづらい状況を警戒して転売行為を手控えることがあるからです。
ですので、効果はゼロではなかったと思います。
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